中国法令調査報告書 - アンダーソン・毛利・友常法律事務所

20100809-1
中国法令調査報告書
オンラインゲーム管理暫定弁法
報告日:2010 年 8 月 9 日
管理番号:20100809-1
今回のご報告のポイント
文化部が公布した本弁法は、オンラインゲームの研究開発・生産、ネットワーク上
の運営、オンラインゲーム仮想通貨の発行、取引サービス等、オンラインゲームの管
理に関するものである。本弁法では、輸入オンラインゲームの内容審査の条件、手続
等が明確にされている。ところで、中国のオンラインゲームについては、これまで新
聞出版総署と文化部間の主管権限バトルがあった。しかし、2009年9月7日に国務院中
央機構編成委員会が権限配分のための解釈規定を公布し、その結果、文化部がオンラ
インゲームの主管部門と位置づけられ、新聞出版総署がオンラインゲーム出版物につ
いての前置審査を行なうということになった(簡単に言えば、新聞出版総署が出版の
前置認可を与えたオンラインゲームについて、その後の運営は文化部 (のみ)が監督
するというたてつけである。)。本弁法は、それを踏まえて、文化部が公布した監督
管理弁法である。
1. 法令等の名称・番号
中国語名称:罔絡遊戯管理暫行弁法
日本語訳:
オンラインゲーム管理暫定弁法
法令番号: 文化部令第 49 号
(ソース)新法規ウェブサイト
2. 公表した政府部門
文化部
3. 発表日
2010.06.03
4. 施行日
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2010.08.01
5. 分野
オンラインゲーム
6. 概要・コメント
本弁法は、オンラインゲームの管理を強化し、オンラインゲームの経営秩序を規範化
し、オンラインゲーム業界の健全な発展を維持するため、「全国人民代表大会常務委員
会によるネットワーク安全の維持に関する決定」、「ネットワーク情報サービス管理弁
法」及び国家の法律法規の関連規定に基づき、制定されたものである。
本弁法の主な内容は、以下のとおりである。
一、
オンラインゲームの研究開発・生産、オンラインゲームのネットワーク上の運営、
オンラインゲーム仮想通貨の発行、オンラインゲーム仮想通貨取引サービス等の形式
の経営活動に従事する場合、本弁法を適用する。
本弁法にいうオンラインゲームとは、ソフトウェア・プログラム及び情報データによ
り構成され、ネットワーク、移動通信網等の情報ネットワークを通じて提供されるゲー
ム製品及びサービスを指す。
オンラインゲームのネットワーク上の運営とは、情報ネットワークを通じて、ユーザ
ーのシステム又は有料システムを使用して公衆にゲーム製品及びサービスを提供する
経営行為を指す。
オンラインゲーム仮想通貨とは、ネットワークゲーム経営単位が発行し、オンライン
ゲームのユーザーが法定の通貨を使用して一定の比率により直接又は間接的に購入し、
ゲームプログラム外に存在し、電磁記録の方法によりサーバー内に保存され、かつ、特
定の数字単位により表現される両替手段である。
二、
(本弁法第2条)
国務院文化行政部門は、オンラインゲームの主管部門であり、県級以上の人民政府
文化行政部門は、その職責の分担に従いその行政区域内のオンラインゲームの監督管
理に責任を負う。(本弁法第3条)
三、
オンラインゲームのネットワーク上の運営、オンラインゲーム仮想通貨の発行及び
オンラインゲーム仮想通貨取引サービス等オンラインゲーム経営活動に従事する企業
は、以下の条件を具備しなければならず、かつ、「ネットワーク文化経営許可証」を
取得しなければならない。
(一)単位の名称、住所、組織機構及び定款
(二)確定されたオンラインゲームの経営範囲
(三)国家規定に合致する従業員
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(四)1000万人民元を下回らない登録資本金
(五)法律、行政法規及び国家の関連規定に合致する条件(本弁法第6条)
四、
「ネットワーク文化経営許可証」を申請するには、省、自治区、直轄市文化行政部
門に対して申請を提出しなければならない。省、自治区、直轄市文化行政部門は、申
請を受領した日から20日以内に認可又は不認可の決定を行う。認可する場合、「ネッ
トワーク文化経営許可証」を発行し、かつ、社会に公告する。認可しない場合、書面
により申請者に通知し、かつ、その理由を説明しなければならない。
「ネットワーク文化経営許可証」の有効期限は、3年とする。有効期間の満了の後、
引き続き経営に従事する必要がある場合、有効期間の満了の30日前までにその更新を申
請しなければならない。(本弁法第7条)
五、
国務院文化行政部門は、法により輸入オンラインゲームについて内容審査を行う。
輸入オンラインゲームは、国務院文化行政部門の内容に関する審査認可を経た後でな
ければ、ネットワークにおいて運営することができない。内容審査を申請するには、
以下の資料を提出しなければならない。
(一)輸入オンラインゲーム内容審査申告表
(二)輸入オンラインゲームの内容説明書
(三)中国語版、外国語版の版権貿易又は運営代理協議、最初の著作権証明書及び授権書
の副本又はその写し
(四)申請企業の「ネットワーク文化経営許可証」及び「営業許可証」の写し
(五)内容審査に必要なその他の文書(本弁法第11条)
六、
輸入オンラインゲーム内容審査を申告するのは、法により独占的ライセンスを取得
したオンラインゲーム運営企業でなければならない。(本弁法第12条参照)
七、 本弁法第6条の規定に違反して、認可を経ずに、無断でオンラインゲームのネットワ
ーク上の運営、ネットワーク仮想通貨の発行及びネットワーク仮想通貨取引サービス等
オンラインゲーム経営活動に従事する場合、県級以上文化行政部門又は文化市場総合法
執行機構が「営業許可証によらない経営の調査処理取締弁法」の規定に従い、調査処理
を行う。(本弁法第29条)
以上
上記の事項についてさらに詳細な情報をご希望される場合には、下記までご連絡いただきます
ようお願いいたします。
森脇
章
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パートナー弁護士
Email: akira.moriwaki@amt-law.com
Telephone: 03-6888-1055(東京事務所)
中川
裕茂
パートナー弁護士、北京事務所首席代表
Email: hiroshige.nakagawa@amt-law.com
Telephone: 03-6888-1174(東京事務所)
+86-10-6590-9060(北京事務所)
本報告書は、法令の一般的な解釈を示したものであり、当事務所の法律上、会計上、税務上の
アドバイスを含むものではありません。
本報告書の著作権は、出典が明記されているものを除き、アンダーソン・毛利・友常法律事務
所に帰属します。
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