20100430-2 中国法令調査報告書 オゾン層消耗物質管理条例 報告日:2010 年 4 月 30 日 管理番号:20100430-2 今回のご報告のポイント 中国はオゾン層を破壊するおそれのある指定物質の規制を目的としたモントリオー ル議定書に加盟しているが、本条例はこの議定書の趣旨に従い制定されたものである。 具体的には、別途公布される「中国オゾン層消耗物質規制リスト」の化学品の生産、 販売、輸出入等には、本条例が適用され、その規制(監督管理)を受けることになる。 1. 法令等の名称・番号 中国語名称:消耗臭氧層物質管理条例 日本語訳: オゾン層消耗物質管理条例 法令番号: 国務院令第 573 号 (ソース)新法規ウェブサイト 2. 公表した政府部門 国務院 3. 発表日 2010.04.08 4. 施行日 2010.06.01 5. 分野 オゾン層消耗物質の管理 6. 概要・コメント 1 ANDERSON MŌRI & TOMOTSUNE 20100430-2 本条例は、オゾン層消耗物質の管理を強化し、「オゾン層保護ウィーン公約」及び「オ ゾン層消耗物質に関するモントリオール議定書」に規定する義務を履行し、オゾン層及 び生態環境を保護し、人体の健康を保障するため、「大気汚染防止法」に基づき、制定 されたものである。 本条例の主な内容は、以下のとおりである。 一、 本条例にいうオゾン層消耗物質とは、オゾン層に対して破壊作用を有し、かつ、「中 国オゾン層消耗物質規制リスト」に記載される化学品を指す。 「中国オゾン層消耗物質規制リスト」は、国務院環境保護主管部門が国務院の関連 部門と共同で制定、調整及び公布する。(本条例第2条) 二、 中国国内においてオゾン層消耗物質の生産、販売、使用及び輸出入等の活動に従事 する場合、本条例を適用する。 前項にいう生産とは、オゾン層消耗物質を製造する活動を指す。前項にいう使用と は、オゾン層消耗物質を利用して行う生産経営等の活動をいい、オゾン層消耗物質を 含む製品を使用する活動を含まない。(本条例第3条) 三、 国務院環境保護主管部門は、統一に全国のオゾン層消耗物質の監督管理業務に責任 を負う。 国務院商務主管部門、税関総署等の関連部門は、本条例の規定及び各自の職責に従 いオゾン層消耗物質の関連監督管理業務に責任を負う。 県級以上地方人民政府環境保護主管部門及び商務等の関連部門は、本条例の規定及 び各自の職責に従い自らの行政区域におけるオゾン層消耗物質の関連監督管理業務に 責任を負う。(本条例第4条) 四、 国務院環境保護主管部門は、国務院の関連部門と共同で「中国オゾン層消耗物質逐 次淘汰国家方案」(以下「国家方案」という。)を制定し、国務院の認可を経た後実 施する。(本条例第5条参照) 五、 国は、オゾン層消耗物質の生産、使用、輸出入に対して総量規制及び割当管理を実 行する。国務院環境保護主管部門は、国家方案及びオゾン層消耗物質の淘汰の進展状 況に基づき、国務院の関連部門と協議して国家のオゾン層消耗物質の年度生産、使用 及び輸出入割当総量を確定し、かつ、公告を行う。(本条例第7条) 六、 国は、オゾン層消耗物質の代替品及び代替技術の研究、開発等を奨励、支持する。 国務院環境保護主管部門は、国務院の関連部門と共同で「中国オゾン層消耗物質代替 品推薦リスト」を制定し、調整し及び公布する。オゾン層消耗物質代替品の開発、生 2 ANDERSON MŌRI & TOMOTSUNE 20100430-2 産、使用は、国の産業政策に合致しなければならず、かつ、国家の関連規定に従い優 遇政策を享受する。(本条例第8条参照)。 七、 オゾン層消耗物質を生産し、又は使用する単位は、本条例の規定に従い生産又は使 用割当許可証の受領を申請しなければならない。ただし、以下に挙げる状況の一つに 該当した場合、使用単位は使用割当許可証の受領の申請をしないことができる。 (一)補修単位が冷凍設備、冷凍システム又は消火器を補修するため、オゾン層消耗物 質を使用する場合(本条例第10条参照) 八、 オゾン層消耗物質の生産単位は、生産割当許可証に規定する種類、数量、期限を越 えてオゾン層消耗物質を生産してはならず、生産割当許可証に規定する用途を超えて オゾン層消耗物質を生産、販売してはならない。 生産割当許可証を有さずにオゾン層消耗物質を生産することを禁止する。 (本条例第15条) 九、 国は、輸出入オゾン層消耗物質についてコントロールをし、かつ、目録管理を実行 する。国務院環境保護主管部門は、国務院商務主管部門、税関総署と共同で「中国オ ゾン層消耗物質輸出入規制目録」を制定し、調整し及び公布する。 「中国オゾン層消耗物質輸出入規制目録」に記載されているオゾン層消耗物質を輸 出入する単位は、本条例の規定に従い、国のオゾン層消耗物質輸出入管理機構に対し て輸出入割当額を申請し、輸出入認可書を受領し、かつ、輸出入を行う予定のオゾン 層消耗物質の種類、数量、出所、用途等の状況に関する資料を提出しなければならな い。(本条例第22条参照) 十、 オゾン層消耗物質輸出入認可書を取得した単位は、国務院商務主管部門の規定に従 い、輸出入許可証の受領を申請しなければならない。(本条例第24条参照) 十一、 オゾン層消耗物質の監督管理職責を負う部門及びその業務人員が以下に挙げる行 為の一つに該当した場合、直接責任を負う主管人員及びその他の直接責任者に対して、 法により処分を与え、直接責任を負う主管人員及びその他の直接責任者が犯罪を構成 した場合、法により刑事責任を追及する。 (一)本条例に違反してオゾン層消耗物質の生産、使用割当許可証を認可、発行する 場合(本条例第30条参照) 十二、 生産割当許可証を有さずにオゾン層消耗物質を生産した場合、所在地県級以上地 方人民政府環境保護主管部門が違法行為の停止を命じ、オゾン層消耗物質の違法生産 に使用される原材料、違法に生産されたオゾン層消耗物質及び違法所得を没収し、オ 3 ANDERSON MŌRI & TOMOTSUNE 20100430-2 ゾン層消耗物質の違法生産に使用される設備、施設を取り除き、廃棄し、かつ、100万 元の罰金を処する。(本条例第31条) 以上 上記の事項についてさらに詳細な情報をご希望される場合には、下記までご連絡いただきます ようお願いいたします。 森脇 章 パートナー弁護士 Email: akira.moriwaki@amt-law.com Telephone: 03-6888-1055(東京事務所) 中川 裕茂 パートナー弁護士、北京事務所首席代表 Email: hiroshige.nakagawa@amt-law.com Telephone: 03-6888-1174(東京事務所) +86-10-6590-9060(北京事務所) 本報告書は、法令の一般的な解釈を示したものであり、当事務所の法律上、会計上、税務上の アドバイスを含むものではありません。 本報告書の著作権は、出典が明記されているものを除き、アンダーソン・毛利・友常法律事務 所に帰属します。 4
© Copyright 2024 Paperzz