17. 6. 7(89号) - 北海道開発局

17.6.7(通巻 89 号)
本号の掲載記事
○ 「独立行政法人住宅金融支援機構法案」〜今後の住宅金融公庫の融資業務について〜
○ 6月はまちづくり月間です 〜わたしの街の都市再生〜
○ 景観法政省令・運用指針等説明会 〜開催のご案内〜
○ 都市再生シンポジウム in 札幌 2005 〜開催のご案内〜
○ まちづくりに役立つ都市計画の本「まち本」
○ まちづくり事例紹介(「人に優しいまちづくりから人づくりへ」 〜栗山町〜)
○ コラム(「香港的看板景観」考)
「独立行政法人住宅金融支援機構法案」
〜今後の住宅金融公庫の融資業務について〜
今国会において、住宅関係で3本の法律が審議されています。その中に住宅金融公庫が独立行政法人
に移行するための「独立行政法人住宅金融支援機構法案」があります。今後の住宅金融公庫の融資業務
についてご紹介します。
住宅金融公庫は、従来民間金融機関が積極的に取り組んでいなかった長期・固定金利の住宅ローンを
供給する目的で昭和 25 年に設立され、平成 15 年度末までに累計で約 1,900 万戸(戦後建設された住宅
の3割に相当)の住宅建設のために利用されてきましたが、「民でできるものは民にゆだねる」という
方針のもと、
「特殊法人整理合理化計画(平成 13 年 12 月 19 日閣議決定)」等により住宅金融公庫は、
証券化支援事業を主業務とする独立行政法人へ平成 19 年4月1日に移行することとなります。
○特殊法人等整理合理化計画(平成 13 年 12 月 19 日閣議決定)(抜粋)
【住宅資金融通事業等(融資、保険)】
〜(略)〜
○融資業務については、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうか勘案して、下記の独立行政
法人設置の際、最終決定する。なお、公庫の既往の債権については、当該独立行政法人に引き継ぐ。
〜(略)〜
●5年以内に廃止する。また、住宅金融公庫が先行して行うこととしている証券化支援業務について
は、これを行う新たな独立行政法人を設置する。
この閣議決定を受けて、平成 15 年6月に住宅金融公庫法(昭和 25 年法律第 156 号)が改正され、同
年 10 月に証券化支援事業(買取型)が開始されています。
①長期・固定金利の
住宅ローン貸出
顧 客
(債務者)
民間金融機関
○証券化支援事業
(買取型)
②債権売却
民間金融機関が貸し出
⑤買取代金支払
住宅金融公庫
③債権信託
した長期・固定金利の住
宅ローン債権を、公庫が
⑥回収金受渡
⑤債券発行手取金
⑥元利金返済
(任意繰上償還を含む)
⑥債券の元利金
支払
買い取り、信託した上で、
信託会社等
債券を発行(証券化)し、
投資家へ売却する。顧客
④担保
④債券発行(MBS)
(債務者)から受け取る
返済金のうち、事務費相
当分等を差し引いたもの
を公庫は投資家へ支払
投
資 家
1
う。
17.6.7(通巻 89 号)
●独立行政法人住宅金融支援機構法案
国民の安定的な住宅取得等を図るため、住宅金融公庫の権利及び義務を承継し、債権の証券化等により一
般の金融機関による住宅資金の貸付けを支援する独立行政法人住宅金融支援機構を設立することとし、そ
の名称、目的、業務の範囲等を定める。
財投資金を活用した直接融資を行ってきた住宅金融公庫を廃止
証券化支援業務等により民間金融機関の支援・補完を行う独立行政法人を設置
独立行政法人住宅金融支援機構の設立 (H19.4.1)
業務の範囲
① 民間金融機関による住宅資金の融通支援業務
・ 証券化支援業務
・ 融資保険業務
② 災害関係、都市居住再生等の民間では困難な融資に限定
<住宅金融公庫の融資業務>
【個人向け住宅ローン】
【個人向け住宅ローン】
・個人住宅建設
・分譲住宅購入
・リフォーム
・災害関係
・災害関係
・財形住宅融資
・財形住宅融資
【事業者向け融資】
【都市居住再生融資】
・密集市街地建替
・賃貸住宅建設
・宅地造成
・分譲マンション建設 等
・密集市街地建替
・子育てファミリー向け
賃貸住宅建設 等
③ 良質な住宅の建設等を促進するために必要な情報の提供等
円滑な
移行のため
の措置
公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案によ
る住宅金融公庫法の一部改正
・ 既往債権の管理業務に係る特別勘定の設置
・ 当該勘定における財政融資資金の繰上償還 等
政府は、公庫から独法への移行に際し、国民の住宅の建設等に必要な長期資金の調達に大きな支障が生
じないよう、必要な施策を推進。さらに、民間金融機関の貸付状況を勘案し、平成 19 年度予算編成過程で
個人融資の取り扱いを最終判断。(住宅金融支援機構法附則第 22 条、平成 15 年公庫法改正附則第 3 条)
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このように「独立行政法人住宅金融支援機構」においては、住宅金融公庫が行ってきた融資業務のう
ち、災害関係、都市居住再生等の民間では困難な融資に限定し、証券化支援事業等により民間金融機関
による長期・固定金利の住宅ローンの供給を支援する業務をメインに行うことになります。
民間金融機関において、住宅ローンを供給するための原資は預貯金等になるため、証券化支援事業を
使わずに長期・固定金利の住宅ローンを供給しようとすると、将来の金利リスクが伴います。したがっ
て、顧客の幅広いニーズに応じ様々な金利タイプの住宅ローンを取りそろえるために、証券化支援事業
を利用する民間金融機関は今後ますます増えていくものと考えられます。
平成 15 年 10 月から開始された証券化支援事業(買取型)による住宅ローンは、現在「フラット35」
の名称で全国 232 機関(平成 17 年6月2日現在)において申込みができます。
○北海道内で「フラット35」の申込みができる金融機関(平成 17 年6月2日現在)
北海道銀行、北洋銀行、札幌銀行、札幌信用金庫、室蘭信用金庫、空知信用金庫、苫小牧信用金庫、北門
信用金庫、伊達信用金庫、北空知信用金庫、日高信用金庫、函館信用金庫、渡島信用金庫、小樽信用金庫、
旭川信用金庫、留萌信用金庫、士別信用金庫、釧路信用金庫、大地みらい信用金庫、北見信用金庫、網走
信用金庫、北海道労働金庫、みずほ銀行、東京三菱銀行、UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、中央
三井信託銀行、みちのく銀行、北陸銀行、日本住宅ローン、東京合同ファイナンス、グッド住宅ローン
※金融機関によって金利・事務手数料等が異なります。詳しくは住宅金融公庫のホームページ
http://www.jyukou.go.jp/support̲index.html を ご 覧 い た だ く か 、 住 宅 金 融 公 庫 北 海 道 支 店
(TEL011‑261‑8318) にお問い合わせ下さい。
住宅ローンの金利タイプは、大きく3つ(変動金利型・固定金利期間選択型・全期間固定金利型)に
分けられ、「フラット35」は、民間金融機関において主力商品である変動金利型や固定金利期間選択
型に比べて、将来の金利情勢に関係なく、あらかじめ返済額が確定している全期間固定金利型の住宅ロ
ーンであり、将来の金利情勢に不安を持っている方には、全期間固定金利型が適していると考えられま
す。
住宅ローン金利タイプごとの特徴
①変動金利型
②固定金利期間選択型
③全期間固定金利型
内容
②、③以外のもの
返済期間のうち、当初一 融資の契約時に返済期
定期間(1年以上)の金 間内の金利が確定して
利が固定されているも いることから総返済額
の(当初1年以上の金利 が確定しているもの(あ
が固定され、その後定期 る時期から金利が変わ
的に金利を見直す(例: る段階金利のものも含
3年ごとに見直すもの) む。)
ものも含む。
)
金利の見直し
半年ごとに見直される 当初の固定金利期間終 見直されることはない。
ことが多い。
了後見直される。
将来の金利情勢による 金利が上昇し、返済額が契約時に想定していたも 影響なし。
影響
のより大きくなる可能性がある。
<フラット35についてのお問合わせ先>
住宅金融公庫 北海道支店
〒060‑0003 札幌市中央区北 3 条西 13 丁目 3 番地 13
TEL 011‑261‑8318
http://www.jyukou.go.jp/support̲index.html
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フラット35と公庫融資との商品比較(概要)
(平成 17 年6月3日現在)
項目
フラット35
公庫融資
融資主体
民間金融機関
(融資後に公庫が買い取り)
資金使途
融資申込者が住む住宅建設、新築住宅購 融資申込者が住む住宅建設、新築住宅購
入、中古住宅購入
入、中古住宅購入、リフォーム等
融資金利
公庫
融資実行時に決定
申込受付時に決定
各民間金融機関が決定
公庫が決定
金利水準
2.34%〜3.35%(6月融資分) 基準金利(6月3日申込分から適用)
※各民間金融機関により異なる
3.06%
※住宅の規模等により異なる場合あり
融資限度額
全国一律 8,000万円
地域・規模により異なる
建設費等の8割以内
給与収入金額が
800(600)万円超の者:建設費等の5割以内
800(600)万円以内の者: 〃 の8割以内
( )は自営業者等の場合
融資額
土地の取得費用は、建設費等に含めるこ 土地の取得費用は、建設費等に含めること
とが可能
が可能
(H15.4.1 以降取得したものに限る)
(H15.4.1 以降取得したものの他、一定の
条件に該当するものに限る)
返済期間
15年〜35年(申込時年齢が60歳以 新築:10年〜35年
上の場合は、10年以上)
中古:10年〜35年(ただし、築年数等
により異なる)
リフォーム:1年〜20年
保証人
不要
不要
保証料
不要
不要
申込時期
年間通じて可能
年間通じて可能
物件検査
民間の検査機関による設計、現場検査
(検査費用は利用者負担)
地方公共団体または検査機関による設計、
現場検査
火災保険
一般の火災保険の付保が必要
公庫の特約火災保険または選択対象火災
保険の付保が必要
融資手数料
各民間金融機関により異なる
48,510円
(中古・リフォームは36,380円)
不要
3,150円または5,250円
(全額繰上返済の場合は不要)
繰上返済手数料
※詳細につきましては、各民間金融機関または公庫へご確認願います。
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6月はまちづくり月間です
〜わたしの街の都市再生〜
一人一人が生きることに喜びと生きがいを味わえる生活空間を形成していくためには、住民と国、地
方公共団体などが協力して創意と工夫を生かしたまちづくりを推進することが必要です。このため、ま
ちづくりについて広く住民の理解と協力を得ることを目的とした「まちづくり月間」(毎年6月1日〜
6月 31 日)を設け、豊かで潤いのあるまちづくりを推進します。
今年度のまちづくり月間は、「わたしの街の都市再生」というテーマの下、まちづくりに関する啓発
活動を展開します。
○まちづくり月間中央行事
日時:平成 17 年6月 24 日(金)13:00〜16:30
場所:都市センターホテル「コスモスホール」(東京都千代田区平河町2−4−1)
内容:第1部
国土交通大臣表彰式
*道内表彰者は、由仁町と函館市石川土地区画整理組合です。
第2部
まちづくりシンポジウム
テーマ:「わたしの街の都市再生」〜市民生活の場としての都市の再評価〜
*まちづくりシンポジウムに関するお問合せ…事務局:(社)全国市街地再開発協会 TEL03‑3591‑2361
○まちづくり月間関連行事
①私のまち写真コンテスト
写真を通して「まち」を見つめ直すことにより、まちづくりへの関心を高めていただくため、「ま
ち」を題材とした写真を全国から募集し、優れた作品を表彰します。
*平成 17 年度 国土交通大臣賞…リバーウォッチング(早川英夫)、まちづくり月間実行委員会会長賞…宇宙基地
を創造した文化センター(寺山記臣)、その他優秀賞5名、佳作 10 名
②まちづくり標語懸賞
魅力あるまちづくりの推進のための合言葉となる標語を、一般の部、児童・生徒の部に分けて募集、
審査及び表彰します。
*平成 17 年度 一般の部特選…暮らしの目 生かしてわがまち ルネサンス(夏田信身)、児童・生徒の部特選…
「壊さない」 その一言で 都市再生(山岡千尋)、その他準特選2名、入選7名
③すまい・まちづくり設計競技
魅力ある居住環境、質の高いまちなみ整備を図るため、具体の住宅地区における創意工夫を生かし
た提案を設計競技により募集、審査及び表彰します。
*平成 17 年度 特選…藤田俶宏 近藤卓 鶴岡孝一
葛巻恒男 梁暢根 深田裕也、その他入選2点
秋山尚
平塚奈保、準特選…二瓶正史
岡本哲志
近藤英俊
④まちの活性化・都市デザイン競技
まちづくりの関心を高め、まちの活性化に寄与することを目的として、与えられた課題地にふさわ
しいまちづくりの構想とまちなみのデザインを募集、審査及び表彰します。
*平成 17 年度 国土交通大臣賞…風見正三他6名、まちづくり月間実行委員会会長賞…瀬川勝之他5名、(財)都市
づくりパブリックデザインセンター会長賞…岡 大輔他4名、その他奨励賞3点
その他詳細につきましては、国土交通省のホームページをご覧下さい。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/04/040601̲.html
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17.6.7(通巻 89 号)
景観法政省令・運用指針等説明会
〜開催のご案内〜
6月1日に景観法が全面施行されることに伴い、景観法に関する政省令及び景観法運用指針が改正さ
れます。
つきましては、北海道開発局において、道内地方公共団体の担当職員の方を対象に説明会を開催いた
しますので、ふるってご参加下さい。
○日
時
平成 17 年6月 28 日(火) 13:30〜16:00
○場
所
札幌第1合同庁舎
2階講堂(札幌市北区北8条西2丁目)
○参加申込先
北海道 建設部 都市計画課 まちづくり推進グループ
TEL:011‑231‑4111(内線 29‑828)
FAX:011‑232‑1147
○詳細についてのお問合せ先
北海道開発局 事業振興部 都市住宅課
TEL:011‑709‑2311(内線 5878)
FAX:011‑738‑0235
E‑mail: machidukuri@hkd.mlit.go.jp
計画・景観係
新しい景観法運用方針は国土交通省のホームページに掲載される予定です。
http://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/townscape/keikan/index.htm
景観に関するご相談は・・・
北海道開発局 事業振興部 都市住宅課 まちづくり相談窓口 へ
TEL 011‑709‑2311(内)5866
FAX 011‑738‑0235
E‑mail
machidukuri@hkd.mlit.go.jp
北海道開発局ホームページでは「まちづくりメールニュース」のバックナンバーを
PDF形式で閲覧できます。
http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z̲jigyou/sinko/sinko̲03̲1.htm
窓口のご案内
北海道開発局 事業振興部 都市住宅課
E‑mail
machidukuri@hkd.mlit.go.jp
TEL
011‑709‑2311 (内)5866
FAX
011‑738‑0235
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まちづくり相談窓口
17.6.7(通巻 89 号)
「地方再生シンポジウム in 札幌 2005」
〜開催のご案内〜
「地方再生シンポジウム in 札幌 2005」が以下のとおり開催されます。参加料無料です。ふるってご参
加下さい。
1.開催日時 平成 17 年6月 24 日(金)14:00〜17:00 (13:30 受付開始)
2.開催場所
かでる2・7 1Fかでるホール
札幌市中央区北2条西7丁目
3.プログラム
○14:10〜15:00 基調講演 「地方都市における まち再生 の目指すもの」
伊藤 滋氏 (社)再開発コーディネーター協会会長
早稲田大学特命教授・慶応義塾大学大学院客員教授
○15:15〜17:00 パネルディスカッション 「北海道らしい キラリ と光るまち」
【パネリスト】
逢坂 誠二 ニセコ町長
吉川 利明 稚内市建設産業部都市再生対策課長
三島 敬子 (株)セントラルプロモーション代表取締役
林
秀樹 (社)再開発コーディネーター協会・事業企画委員
(株)アーレックス代表取締役
大石 章夫 (社)再開発コーディネーター協会・北海道Qの会代表幹事
大石再開発計画室代表
【コーディネーター】
濱谷 雅弘 北海道工業大学教授
4.交流会 17:30〜19:30 (会費:3,500 円(税込))
札幌全日空ホテル 3F 鳳の間
札幌市中央区北3条西1丁目
5.後援予定
北海道開発局、北海道経済産業局、北海道、札幌市
<参加申込先・お問い合わせ先>
『地方再生シンポジウム in 札幌 2005』実行委員会事務局
(社)北海道まちづくり促進協会内
TEL 011‑232‑0926
FAX 011‑222‑5697
※メールでも申込み可能です。(以下のアドレスに送信してください。)
E‑mail:info@kitanomachidukuri.or.jp
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17.6.7(通巻 89 号)
ぼん
まちづくりに役立つ都市計画の本「まち本」
都市計画ってなんだろう?
ふと疑問に思ったさっぽろ名物の時計台が、なんと札幌市役所に出
前講座を申し込んだ!はりきる市役所の説明は、いったいいかに!?
土地の使い方・建物の建て方などの都市計画の基本から、マンショ
ン問題、さっぽろの街並みについて、市役所が厚いくちびるから熱く
語る! …というオドロキの設定で始まる誌上出前講座「まちづくり
に役立つ都市計画の本〜まち本(ぼん)〜」を、札幌市市民まちづく
り局都市計画部都市計画課より発行しました。「わかりやすくて、た
めになる」と、配布開始から 3 週間で 6,000 部がなくなる大人気。
まちづくり団体の勉強会用テキスト等に活用されています。また、不
動産に関する基礎知識としてもお役に立ちます。このたび、web 版を
公開いたしましたので、ぜひご利用ください。
http://www.city.sapporo.jp/keikaku/machibon/
市役所→
まち本の特長(A5判カラー・80 ページ)
1
さっぽろのつくり方
・まちはいろいろ、プランもいろいろ
・ぴったりサイズはムダがない〜線引き〜
初心者に
親しみやすい構成内容
イラストや平易な文章で
読みやすい
2
・マンション問題なぜ起こる
市民の方からお問い合わせの
多い事柄について
わかりやすく解説
じっくりゆっくりまちづくり
・この指とまれ〜都市計画提案制度〜
・とっておきのまちへ〜都市景観〜 など
市民の皆さんも参加できる
都市計画のご紹介
なぜ、まち本をつくったの?
平成 16 年3月に策定した「札幌市都市計画マスタープラン」では、
「都市づくりの取り組みにおける
『協働』のしくみの充実」を掲げ、その中で「都市づくりにかかわる情報の共有」を図ることとしてい
ます。しかし、都市計画制度を中心とした都市づくりに関する仕組みやルールは、専門的で複雑なこと
もあり、これまで多くの市民に理解を得ることが難しい面がありました。
そこで、「都市計画にはそもそもどういう制度があり、市役所はどのように考えているのか」、「市民
の皆さんが都市計画の制度を使ってできることは何なのか」など、まず基本的なことをしっかり分かり
やすく説明したうえで、市民の皆さんとともに札幌の都市づくりを進めていこうと、モニター調査等で
多くの市民の方々にご協力をいただき、「まち本」を作製しました。
今後、この「まち本」を活用して、「出前講座」での説明や、地域におけるさまざまな取り組みに対
する支援などを積極的に行っていきたいと考えています。
(寄稿:札幌市 市民まちづくり局 都市計画部 都市計画課)
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17.6.7(通巻 89 号)
人に優しいまちづくりから人づくりへ
〜栗山町〜
▲穏やかに流れる夕張川
南空知のさらに南部に位置し、南西を蛇行しながら流れ
る夕張川の水辺の環境と、国蝶オオムラサキ生息の北東限
である御大師山の豊かな自然環境に恵まれた栗山町は、道
都札幌や千歳空港、苫小牧港がすべて1時間圏内という立
地条件から、南空知の交通の要衝として発展してきました。
現在、人口14,627人、高齢化率約28%という人口
の漸減と高齢化が進む中、自然との共生、人にやさしい福
祉のまちづくり、協働のまちづくりをテーマに、住民と行
政が一体となった地域づくりを着実に進めています。
昭和60年、町を見守る御大師山において国蝶「オオムラサ
キ」の生息(北東限)が確認され、以後、オオムラサキをはじ
めとする、多様な動植物の保護や、自然学習活動が盛んになり、
町民主体の自然保護団体の活動も活発化しました。平成元年に
は、御大師山一帯が環境庁「ふるさといきものの里」に指定さ
れ、町ぐるみで次代にこの自然を残すための保護に取り組んで
います。平成11年度には環境庁の支援のもと、ハサンベツ地
区一帯の約24ヘクタールを町が購入し、町内の自然環境団体
を中心とする実行委員会を中心に、グラウンドワークによる自
然復元と里山づくりを進めています。
▲エゾエノキに食樹する国蝶オオムラサキ
また、福祉行政の先進地としても知られ、「まちという名の家族」を合言葉に、全国に先駆けた町立
介護福祉学校の開校(昭和63年)や、福祉情報誌「くりやまプレスの発刊(平成4年)、町全体のユ
ニバーサルデザインを推進し、平成9年にはオールバリアフリーの総合福祉センターを新設し、 福祉
のまちづくり のシンボルとして、
「しゃるる」という愛称で町民に親しまれています。
平成4年には、町民それぞれの想いを刻み込んだレンガによる歩道造成が認められ、建設省の「手づ
くり郷土賞」を受賞しました。
▲総合福祉センター「しゃるる」
▲手づくりの「レンガ通り歩道」
栗山町のまちづくりは、 人 つまり 町民 を起点とし、その精神は今も受け継がれ、NPOの誕
生や、女性やシニアの社会参画という、新たな展開を見せています。
町内4つあるNPO法人の一つ「くりやまコミュニティネットワーク」は、平成11年に組織された
くりやまエコマネー研究会を母体とし、平成15年4月にNPO法人を取得しました
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17.6.7(通巻 89 号)
自助、公助の隙間を埋める観点から、古く町にあった互助・共助の仕
組みを再生するため、町民の善意を循環する地域通貨「クリン」を全国
に先駆けて導入しました。その実践をとおして、町民の多様な知恵の交
換や、人とひととの交流による地域課題の発見、さらには地域のサービ
ス主体としての役割、ノウハウを学びました。そして今、その地域課題
の解決と法人としての自立、さらには地域における新たな雇用創出を目
標として、女性やシニアの主体的な参画による、地域貢献型事業(コミ
ュニティビジネス)の展開に向けた養成プログラム(講習会)を実施し
ています。
▲人の善意の交換ツール・
地域通貨「クリン」
地域貢献型事業(コミュニティビジネ
ス)実践の一つとしては、女性やシニアがIT技術を有効活用して在宅
で仕事を営む「SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)事業者」
育成のためのビジネス講座を実施しました。
定員10人のところ15人の応募があり、その受講生は修了後にグル
ープ化し、3月から4月かけて、実際にNPO法人が受けた委託業務の
一端を担うなど、新たな地域サービスの担い手として活動を始めていま
す。
▲アプリケーション操作を
同様に、「コンピュータ関連保守」のビジネス講座も実施しました。
学ぶ受講生
これはハードウェアやオペレーションソフト等の基本的仕組みの理解
し、町内の公共施設に設置されているパソコン端末やネットワーク機器等の保守を担う人材を育成しよ
うという取り組みです。この講座も定員10人のところ15人の応募がありました。
今回の取組みでは女性の参加が大半を示し地域に貢献しようという関心の高さが伺えました。
NPO法人くりやまコミュニティネットワークは、まちづくりにおけるプラットフォーム型のNPO
として、地域人材のポテンシャルを高める事業に取り組んでいます。公共サービスの新たな担い手が誕
生し、地域の人たち自らが地域を活性化する新たな波となることを期待しています。
(寄稿:栗山町
総務部
情報推進課)
「まちづくり」に関する活動・ご意見を掲載します
まちづくりに関するみなさまの活動やご意見を「まちづくり相談窓口」までお寄せください。
掲載を希望される場合は氏名、職業を明記の上、電子メール等にて送付願います。
(原則として氏名、職業を公表させていただきます。)
※いただいたご意見等は可能な限り掲載いたしますが、紙面の都合上、掲載出来ない場合も
ありますのでご了承願います。
「まちづくりメールニュース」へのご意見・ご感想をお寄せください。
掲載記事についてのご質問も受け付けています。
北海道開発局 事業振興部 都市住宅課 まちづくり相談窓口
E‑mail
machidukuri@hkd.mlit.go.jp
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17.6.7(通巻 89 号)
「香港的看板景観」考
10〜15年程前のバブル期は、国中が集団催眠にでも罹ったように、「行け行けドンドン」とばか
りに、全速力で走りつづけた感じがする。そしてバブルが崩壊したとき、猛省を促すかのように、「行
け行けドンドン」の置きみやげが街中のあちこちに残った。都心には歯の抜けたような空地、駐車場が
点在し、商店街は、無策がもたらしたロードサイド店の林立のせいで、「シャッター通商店街」と揶揄
されることとなった。人通りが疎らな割りには、ケバケバしく無秩序に掲げられた下品な看板だけがや
たらに目につく状況となった。町の中でも比較的賑やかだと言われる通りに立って、はるか向こうを見
渡すと、メチャクチャなスカイラインと統一感の無い街並みもさることながら、サイズも、取り付け位
置も、取り付け方向も、色も勝手きままで、自己主張のみが目立つ看板のオンパレードに愕然とするこ
とが多々ある。これを私流に「香港的看板景観」(香港に住んでおられる方、ご免なさい。)と言ってい
るが、日本人ってこんなにも美的センスの無い民族だったのか。決してそうではない。京都や奈良など
古くからの街並は、あんなにも見事なまでに整然とした美しさがあるではないか。
私は、常々、古来から日本人は自然体で律儀さ、謙虚さ、清潔さ、美学を持ち合わせており、この民
族性は世界に自慢できるものと思っている。
江戸時代中期にある欧州人が、当時の地球上では最大の都市であった江戸を訪れ、その街並みの整然
とした佇まいと、町中の清潔さに驚いたという。当時の古地図を見る機会が何度となくあったが、城を
中心として、その周囲には旗本が屋敷を構え、その周縁に鉄砲鍛冶、刀鍛冶、大工、左官が張り付き、
そのまた周縁に商人が店を構えるといった構成が、一般的なゾーニングとなっているような気がする。
今風に言うと、明快なゾーニングで構成されるコンパクトシティーの典型とも言えるのである。
建築協定があるわけではないのに、武家屋敷の塀も、鉛瓦に白漆喰と大概決まっており、自然体での
美学を持ち合わせていた。
さて、ここで些か脱線するが、私の多くの趣味の一つにタウンウォッチングがある。
私の場合のタウンウォッチングとは、町中で「思わずニヤッとするようなおもろいもの」を探そうと
いうのが主眼である。例えば、2階の出入り口があるのに階段が付いてない家とか。考えさせる捻りの
ある看板とか、矛盾する道案内板とかである。この私風のタウンウォッチング的な見方をすると、街が
俄然楽しいものに見えてくるから不思議だ。
面白く見ているうちはいいのだが、逆に、洒落にもならないのが、電柱に貼り付けられた違法チラシ、
ケバケバしい看板、通りとしての統一性の無い看板のオンパレード、自己主張の強すぎる看板、妙に色
っぽい看板等々である。大きい看板だから、色が派手で目立つからという理由だけで、その店に入って
いく客なんているわけが無い、何が売られているのか、店名は何か、分かれば良いではないか。
江戸時代の看板を集めた博物館の特別展を見にいったことがあるが、見事なまでの統一感があり、さ
りげない優れたデザインに驚いたことがある。しかもそれはデザイン性ばかりではなく、看板の本来の
目的である「なに屋さん」なのかが一目瞭然で、コンパクトで極めて実用性に富んだものだ。
当時は景観法も無ければ、条例も無い時代であることは勿論だが、誰とて美学やらアドデザイン、ア
ーバンデザイン、ランドスケープデザインを学んだとは聞いてない。
暗黙の了解ともいうべき自然な美学が備わっていたのだ。
日本人にはそういうDNAが脈々と受け継がれているはずである。
香港の街を代表するあの混沌とした街並みと看板のオンパレードは世界的に有名だが、香港という街
だから「らしさ」を感じさせるのであり、中国の人たちのDNAがそうさせているのである。
日本ではそんな看板のオンパレードは似合わない。日本人の美学に働きかけるDNAよ目覚めよ。
ここは香港じゃない。
(吉田)
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