アニュアルレポート 2015 - Thermo Fisher Scientific

世界をリードする科学サービス企業
アニュアルレポート 2015
私たちのミッションは、私たちの住む世界を
「より健康で、より清潔な、より安全な場所」
にするために、
お客様へ製品・サービスを提供することです。
サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッド
( NYSE:TMO )
は世界をリードする科学
サービス企業です。売上高は170億ドルに上り、
世界50カ国に5万人以上の社員を擁しています。当社はお客
様によるライフサイエンス分野の研究、
化学分析における複雑な問題の解決、
医療における患者診断の改
善、
および研究施設における生産性の向上をお手伝いしています。当社ではThermo Scientific、
Applied
Biosystems、Invitrogen、Fisher Scientific、Unity Lab Servicesブランドを通じて、先進の技術、購買の
利便性および包括的なサポートをご提供します。
これらはすべて他社の追随を許さないものです。
18%
38%
アナリティカルインスツルメンツ
相互補完的な事業セグメント
19%
スペシャルティ
ダイアグノスティックス
ラボプロダクツ・
サービス
170 億ドル
売上高
25%
ライフサイエンス
ソリューションズ
マーク・N・キャスパー
社長兼最高経営責任者
株主の皆さまへ
2015年は好調な1年でした。当社は業界屈指のリーダーとして、その地位を揺るぎないものにしています。本
アニュアルレポートではそうしたすばらしい事例を紹介しますが、その中で最も私の印象に残ったのは、
どのよ
うなマクロ経済環境下にあっても、お客様の成功を支援する企業として当社がお客様からの信頼を勝ち得たと
いうことです。当社は他に類を見ない規模と多くの強みを生かし、お客様のために大きな価値を創造していま
す。それにより当社は、競争が激化する今日の環境下でも差別化に成功し、将来の成長を支える基盤を維持し
ています。
当社の1年は、個々の社員が責任を持って達成すべき目標を設定することから始まります。年間の目標を達成
することにより、私たちは2020年に向けたビジョンにまた一歩近づいたことになります。当社は2015年もまた
大きな飛躍を遂げたことを、
ここにお知らせすることができ嬉しく思います。
$7.39
$6.96
調整後EPS(1株当たり当期利益)
* の推移
(米ドル)
* 調整後1株当たり当期利益、調整後売上高営業利益率および調整後営業利益はGAAP(米国会計基準)
に準拠しな
い指標であり、特定の項目を除外したものです。GAAPに準拠しないこれらの財務指標をGAAP準拠の指標と比較
可能にするための調整については、本アニュアルレポートの6ページおよび7ページに記載した連結損益計算書を
ご参照ください。
$4.94
$5.42
$4.16
11
12
13
14
15
アニュアルレポート 2015
1
当社の
「ビジョン」
とは10年間の目標を定め
たものです。私たちは次の目標に力を注い
でいます。
・揺るぎなく堅調な財務業績をあげること
・先進的技術の開発、グローバル規模での
7,000 万ドルとなりました。調整後営業利
益は3%増加して38億2,000万ドルとなり、
調整後売上高営業利益率は 0.6% 上昇し
て22.5%となりました。また、調整後1株当
たり当期利益は前年比6%増の7.39ドルと
なりました。さらに、2 年前のライフテクノ
事業展開の活用、および価値提案力によ
ロジーズの買収以降、継続的に債務を削減
り、お客様のニーズにお応えすること
し、目標の負債比率を当初の予定より早く
・社員が自社の事業に共鳴し、当社の成功
達成することができました。
セス改善)
を活用しています。
当社は成長戦略を忠実に実行し続け、お客
様をすべての重要な意思決定の基準とす
ることにより、堅調な業績を毎年達成して
います。
お客様の成功を支援
私たちのミッションは、私たちの住む世界
に深く関わることができる環境の構築
を
「より健康で、より清潔な、より安全な場
・上記の目標をすべて達成し、世界で最も
確かに、経済環境は当社の業務を行う上で
所」
にするために、お客様へ製品・サービス
賞賛すべき企業の一つであると認識され
容易な状況とは言えませんでした。
ドル高
を提供することです。これにより組織として
るようになること
は当社の売上と最終利益の両方にとって逆
の当社の目標が定まり、社員は当社の事業
風となり、全世界で産業は業績を伸ばすこ
に誇りを持つことができます。また当社は
以下では、当社のビジョンの各項目に沿っ
とができず、ロシアやブラジルなどの新興
先進的技術の開発、アジア太平洋地域と新
て 2015 年の業績をご説明します。私はこ
諸国の経済状況は悪化しました。
興市場におけるプレゼンスの向上、および
れらの成果を振り返るたびに、
トップとして
独自の価値提供を通じてミッションを遂行
サーモフィッシャーを率いていることを誇
これが多国籍企業の直面する現実であり、 しています。それらが当社の成長戦略の要
りに思います。各項目から、当社が組織とし
当社のお客様も例外ではありません。しか
素であり、当社の成功だけでなくお客様の
て何を重視しているか、また短期的な目標
しながら企業価値を高め、新たな価値を創
成功にも寄与しています。
の達成だけでなく輝かしい未来に向かって
造できる企業にとっては有利な状況だと言
私たちを突き動かす原動力が何なのかを
えます。当社の社員は適切な機会を見い出
革新的な技術
ご理解いただけると思います。
し、お客様に価値を提供し、目標を達成して
当社は、業績への影響が最も大きい研究開
くれました。
揺るぎない業績
発費と研究開発部門の人材に投資すること
で、技術分野での主導的地位を年々強化し
当社は揺るぎなく堅調な財務業績を、長
それに加え、当社はグローバル規模の調達
ています。当社は技術革新に重点を置いて
年にわたり達成してきた実績を有してい
や業務効率を改善する取り組みの一環とし
おり、お客様の研究や業務推進を支援する
ます。2015 年についても例外ではありま
て、成長の糧となる生産性を向上させるた
魅力的な新製品を開発するために、2015
せん。当社の売上高は過去最高の 169 億
めに、PPIビジネスシステム
(実用的なプロ
年には7億ドルを投資しました。
魅力ある収益構造
25%
診断および
ヘルスケア
20%
産業および
応用
25%
2
アニュアルレポート 2015
学術および
政府機関
その他の地域
アジア太平洋
機器装置および
ソフトウェア
25%
18%
サービス
医薬および
バイオテクノロジー
最終市場
4%
13%
30%
製品
62%
地域
消耗品
25%
ヨーロッパ
53%
北米
たとえば当社は、優れたサーモフィッシャー
の 技 術を生 命 科 学 の 研 究 者に提 供する
続されています。このCloud機能により、医
療分野および応用化学分野で研究を行う
だけでなく、他分野への応用をさらに拡
世界中のお客様が、単一のプラットフォー
大しています。当社がタンパク質研究用
ムでデータの閲覧、分析および共有を行え
Thermo Scientific Orbitrap Fusion
Lumos Tribridシステムをはじめとする、
O r b i t r a p 質 量 分 析 プラットフォームを
投入してから 10 周年になります。そして
Orbitrap 技術に業界をリードするクロマ
るようになりました。このことで科学的な共
トグラフィー技術を組み合わせ、食品安全
または法医学分野のお客様向け Thermo
同研究が見直され、成功への近道となる可
能性があります。
それらの地域における昨年の成果を顧み
ると、
まさに際立っていたのは中国です。中
国は歴史的な転換期を経験していますが、
当社の社員は2桁成長という目覚ましい業
績を残してくれました。中国における当社
の戦略は、バイオ医薬品、診断、環境モニタ
リング、食品安全の各分野における当社の
当社の幅広い技術は、お客様との提携によ
り、私たちに明確な強みをもたらします。今
年の成果の好例は、スウェーデンのカロリ
Scientific Q Exactive GC-MS/MSシス
テムおよびQ Exactive Focus LC-MSシ
ステムを開発しました。当社の分析機器 3
ンスカ研究所と当社の提携です。同研究所
機種が初めて米国およびヨーロッパで医療
前立腺がん検査法の開発を目的とした臨
は、当社のプロテオーム技術、ゲノム技術
およびアッセイ技術による、より効率的な
機器として登録され、医療関係者のお客様
床研究結果を発表しました。この画期的な
に患者様のサンプル分析用の高度なツー
成果は、当社全体の技術の活用なしには達
ルを提供できるようになりました。
成されなかったでしょう。そして、このこと
は当社のミッションの遂行を示すすばらし
強みに合ったマーケットセグメントを対象と
しています。
中国に出張する際、私はお客様との面談に
多くの時間を使うようにしています。当社
の高性能質量分析機器や次世代シーケン
シング機器が高度ながん研究に利用され、
環境分析機器が大気汚染と水質の問題の
解決に役立つのを目にするのは大変喜ば
しいことです。昨年、天津の化学倉庫爆発
が大きく報じられましたが、その際にも大
気の安全性を確認するモニターを提供し
さらに、
新しいIon Torrent Ion S5システム
い例だと言えます。
ました。
伝子解析製品ラインナップを拡大し、
より幅
リーダーとしての世界的なプレゼンス
広い分野のお客様に標的化次世代シーケン
当社がお客様にお応えするためには、地域
また、当社が行ってきた中国イノベーショ
およびIon S5 XLシステムの発売により遺
シングをご利用いただけるようにしました。 に密着したパートナーとなってお客様の
こうした進歩に伴って大量のデータを処理
課題を十分に理解する必要があります。一
するニーズが生じてきたため、
当社の新し
方、当社のグローバル規模での事業展開
いApplied Biosystems QuantStudio 3
は、高成長を続けるアジア太平洋地域とそ
ステムは、
現在Thermo Fisher Cloudに接
重要な競争優位性となります。
およびQuantStudio 5リアルタイムPCRシ
の他の新興市場における事業展開にとって
ンセンターへの投資も成果を出し始めて
います。最近の例としては、新しいThermo
Scientific Orion 3106 COD水質分析装
置の市場投入が挙げられます。同製品は、
排水中の汚染物質の制御に関する新しい
規制に対応できるようにお客様をサポート
します。中国では今年、技術開発と投資の
より健康に:個別化医療の発展
がんのない世界を目指すにはすべてが一体となった取り組みが必要
となります。当社が個別化医療の発展に向けて医薬品分野のお客様
との連携を図るのはそのためです。当社のIon Torrent Ion PGM Dx
次世代シーケンシングシステムおよびOncomineアッセイは、非小細
胞性肺がんのコンパニオン診断を目的としたマルチマーカー型のユニ
バーサルオンコロジーテストを開発するために利用されています。目
標は、より良い患者様の転帰のためにより個別化された治療を実現
することです。
アニュアルレポート 2015
3
計画表となる第13次5カ年計画が実施され
ます。中国は健康管理と環境の改善に引き
独自の価値提案
ご紹介したように、当社はさまざま強みを
続き重点を置いています。従って、
中国のお
持った唯一無二の存在としての立場を生か
客様にお応えするために、成長に向けた新
し、お客様が目標を達成できるように技術
しい事業機会の獲得に関して、当社は非常
革新と生産性の改善を支援しています。お
に良い位置につけていると言えるでしょう。
客様に対する価値提案を当社の核とし、継
続して強化しています。
この他、当社はインド、中東、東南アジアな
どの新興市場でもプレゼンスを拡大して
たとえば、当社は2 件の戦略的な企業買収
います。インドで行ってきた事業投資は、医
を実行することにより製品ラインナップを
薬、バイオテクノロジーおよび食品安全の
拡大しました。Advanced Scientificsは高
各市場における当社の順調な成長に貢献
しました。当社では初となるカスタマーエ
成長のバイオプロダクション市場における
解析技術とタンパク質分析技術の両方を
保有することで、先に述べた前立腺がん検
査法のような大胆で新しい事業機会を得る
ことができたのです。Fisher Scientificの
販売チャネルおよび統合された電子商取
引プラットフォームを活用することにより、
当社の存在感は増大し、お客様は当社の製
品およびサービスをより利用しやすくなり
ました。
当社はチームと強みを結び付けることによ
クスペリエンスセンターをドバイ
(アラブ首
当社の存在感を高め、Alfa Aesarは当社の
研究施設向け化学製品のポートフォリオを
り、さらに強みを強化しました。その結びつ
長国連邦)
に開設し、当社のさまざまな強み
拡充しました。
れ、株主の皆さまに堅調な利益をご提供で
をお客様にご紹介するとともに、
トレーニン
グとコラボ―レーションの機会を提供して
価値提案の増強に関する最たる例は、ライ
います。シンガポールでは、新しいバイオ医
フテクノロジーズ(現在は当社のライフサ
薬品サービス施設が、
この地域で増加する
イエンスソリューションズ部門)の統合で
臨床試験を支援しています。また、当社は
シンガポール、マレーシアおよび韓国のお
客様へのアクセスを拡充するために、販売
した。結果、当社のポートフォリオが拡充さ
会社2社を2015年前半に買収しました。こ
れただけでなく、戦略的地位が全面的に向
れらの地域全体で当社が高い業績を収め
上しました。これはこの上なく喜ばしい成功
たことは、当社がグローバル規模での事業
です。
ることを示すものです。
これまでに統合されたバイオプロダクショ
ン事業部門とバイオサイエンス事業部門
は、統合前の個々の事業を上回る速さで現
より清潔に:犠牲なき持続可能性
サーモフィッシャーは、お客様の目標達成を支援することに全力を
注いでいます。お客様はますます持続可能性を重視しており、それを
サポートするために当社はThermo Scientific TSXシリーズ超低温
フリーザーを導入しました。この製品には革新的技術が採用されて
おり、従来の研究所向けフリーザーと比較して、エネルギー消費量と
温室効果ガスが50%削減されています。これにより、お客様はサン
プルの品質保持と環境保護を同時に両立させることが可能となりま
した。
アニュアルレポート 2015
きによりお客様への大きな価値が創造さ
きたことは間違いありません。
社員の参画
私は、各事業所を訪問して社員と接するた
す。この合併は大きな成功を収めました。 びに、世界中の社員が当社の事業に深く関
当社は大きな期待とともに同社と統合しま わっている姿を目にして大変誇らしい気持
展開を生かしてお客様の成長に貢献してい
4
在成長しています。一つの企業内で遺伝子
ちを抱きます。世界で最も賞賛すべき企業
の一つになるという目標は長い道のりで
す。私たちは大きく前進していますが、なす
べきことは多く残されています。私たちは
サーモフィッシャーをお客様のため、自社
のため、私たちが生活し仕事をする地域社
会のために、変化を生み出すべく社員が熱
意を持って働けるような場所にしていくこ
とを望んでいます。
地 域 社 会では、当 社 のマッチング ギフト
ない時代に生きています。その中で、当社
制度を通じて社員が募金活動を行ってい
の重要なステークホルダーであるお客様、
お客様へのご支援を始めとして、当社の
るほか、世界中の当社拠点では、社員が
社員および株主の皆さまからは、さらに多
ミッションを遂行する上で私たちが果たし
くの期待が当社に寄せられており、当社は
ている役割について、ここまで多くの例を
Community Action Council(コミュニ
ティ・アクション・カウンシル)
の活動にボラ
これからもその期待にお応えしてまいりま
挙げてきました。これらの事例は、社員が
ンティアとして参加しています。当社の慈
自社の事業に共鳴し、お客様の成功を支援
善事業活動憲章は、学生にSTEM
(科学、技
す。2015年における当社の成功は、明確な
成長戦略と社員のすばらしい実行力の賜
する決意を持っていたからこそ可能となっ
術、工学、数学)
分野の探究を奨励していま
たものです。
す。当社は米国、ヨーロッパおよび中国の
に誇りを持っていますが、さらに重要なこと
著名大学5校に進学する学生に対して奨学
は、
より明るい未来を当社と、そしてお客様
当社には、Integrity
(高潔さ)
、Intensity
(熱
物です。私たちはこの 1 年間の成果すべて
金を提供しています。また、小学校の授業
にもたらすための基盤作りができたという
心さ)
、Innovation
( 革新)
、Involvement
にも関わっています。科学という
「魔法」
で
ことに他なりません。
根ざした文化が存在しており、常にそうした
とができるのは好奇心に満ちた子供をお
強い基盤の上に成り立っています。1 年を
いて他にはないからです。たとえば、昨年、
(参画意識)
の四つからなる
「4iバリュー」
に
通じて、異なる考え方が尊重され推奨され
何が可能となるのか、それを最も感じるこ
敬具
STEM の授業に適した科学安全キットの
る環境が構築され、社内でダイバーシティ
パッケージを作成し、数千個を配布・寄付す
&インクルージョンの文化が強化された点
ることにより、将来のキャリア形成に役立つ
を特に嬉しく思っています。たとえば、2015
ツールを学生たちに提供しました。
年に二つのEmployee Resource Group
マーク・N・キャスパー
社長兼最高経営責任者
2016年2月25日
( ERG 、エンプロイー・リソース・グループ) これらの例は、変化を生み出すことに当社
が加わり、現在は 六つの ERG が社内にあ
が重点を置いていることを示すほんの一例
ります。また、当社は同年、人権団体である
に過ぎません。当社の社員が自社の事業に
Human Rights Campaign が発表する
Corporate Equality Index(企業平等指
数)
で満点の100点を獲得しました。ERGに
共鳴して参画するならば、お客様からも同
り、当社をより良いものにしています。
現代は変化が加速し科学の影響力が拡大
様に共感していただけるものと私たちは確
信しています。
は何千人もの社員が積極的に参加してお
する時代であり、私たちはそうした前例の
より安全に:防衛の最前線
当社は、この分野に技術を応用することにより、公衆の安全を守る業
務の最前線に立つ人々に分析機器を提供しています。たとえば、メキシ
コの警官は、携帯型分析器であるThermo Scientific FirstDefender
RMX、TruDefender FTXおよび TruNarcを使って危険性のある物質
や違法薬物の発見を行っています。また、チリでは、国家の麻薬撲滅
プログラムである「ゼロマイクロトラフィック」においてTruNarcが重
要な役割を果たしています。
アニュアルレポート 2015
5
連結損益計算書
一般に認められた会計原則
(GAAP)
に準拠して作成する財務指標に加えて、調整後EPS、調整後営業利益および調整後売上高営業利益率など特定の非
GAAP財務指標を使用しています。これらの非GAAP財政指標では、特定の買収に伴う費用が除外されています。この除外されている費用には、買収日に
再評価された在庫の販売手数料および重要な取引費用、再編費用およびその他の費用と収入、および買収に伴う無形資産の償却費が含まれます。調整後
EPSでも、区分されているか規則性や予測可能性を伴った再発が予期できない特定のその他の損益、過去の項目に関連した税引当金/税制優遇、繰越税
額控除による利益、重要な税務監査や出来事による影響、および非継続事業の結果が除外されています。上記項目を除外したのは、
これらの項目が当社の
通常の事業以外のものであったり、将来的な見通しを立てることが困難な場合があるためです。また当社は、継続事業が企業買収ならびにその他の投資お
よび資金調達活動に使用する資金を生み出す能力についての理解が容易になるように、営業活動によるキャッシュフローから設備投資額を控除した金額
を非GAAP指標であるフリーキャッシュフローとして用い、
また、非継続事業から営業活動によるキャッシュフローを除外しています。非GAAP指標を利用
することは、特に過去の実績や将来の予測と比較する際、投資家の皆さまが当社の経営において業績がどのように評価され予測されているかの反映であ
る中核事業の業績と将来展望を十分に理解していただく役に立つと考えています。本文書に記載した非GAAP指標は、GAAPに準拠した当社業績より優
れた指標、
またはその代替として扱われることを意図したものではありません。
(単位百万ドル、ただし 1 株当たり数値を除く)
2015
2014
2013
2012
2011
連結損益計算書(a(
)b)
売上高
$16,965.4
$16,889.6
$13,090.3
$12,509.9
$11,558.8
売上原価および営業費用:
売上原価(c)
8,782.7
8,970.6
7,339.2
6,993.0
6,588.9
販売費および一般管理費(d)
3,724.1
3,991.4
2,905.2
2,828.7
2,634.5
企業買収に関係する無形資産の償却
1,314.8
1,331.7
763.1
747.6
647.9
340.2
研究開発費
692.3
691.1
395.5
376.4
企業再構築およびその他の費用(収益)
(純額)
(e)
115.3
(598.2)
77.7
82.1
96.5
14,629.2
14,386.6
11,480.7
11,027.8
10,308.0
2,336.2
2,503.0
1,609.6
1,482.1
1,250.8
(399.8)
(415.8)
(290.1)
(212.7)
(118.0)
1,936.4
2,087.2
1,319.5
1,269.4
1,132.8
43.9
(191.7)
(40.4)
(11.0)
(109.4)
1,980.3
1,895.5
1,279.1
1,258.4
1,023.4
(4.9)
(1.1)
(5.8)
(80.5)
306.5
$1,975.4
$1,894.4
$1,273.3
$1,177.9
$1,329.9
基本
$4.97
$4.76
$3.55
$3.46
$2.69
希薄化後
$4.93
$4.71
$3.50
$3.43
$2.66
基本
$4.96
$4.76
$3.53
$3.24
$3.49
希薄化後
$4.92
$4.71
$3.48
$3.21
$3.46
基本
398.7
398.2
360.3
363.8
380.8
希薄化後
401.9
402.3
365.8
366.6
384.8
営業利益
その他の費用(純額)
(f)
継続事業による利益(税引前)
法人税額
(g)
継続事業による利益
非継続事業による(損失)利益
(
(タックス・ベネフィット)法人税額 各(2.9)百万ドル、
(0.6)百万ドル、
(3.7)百万ドル、
(44.0)百万ドルおよび
191.5 百万ドルの(加算)控除後)
当期利益
継続事業による 1株当たり当期利益:
1株当たり当期利益:
加重平均株式数:
調整後1株当たり当期利益の調整
GAAP準拠の希薄化後 1株当たり当期利益(a)
$4.92
$4.71
$3.48
$3.21
$3.46
売上原価計上額(税引後)
(c)
0.01
0.55
0.05
0.11
0.13
販売費および一般管理費(税引後)
(d)
0.05
0.24
0.16
0.03
0.13
事業再構築およびその他の費用(収益)費用(税引後)
(e)
0.19
(0.79)
0.16
0.15
0.16
企業買収に関係する無形資産の償却(税引後)
2.27
2.27
1.45
1.36
1.12
その他の費用(税引後)
(f)
0.03
(0.01)
0.09
0.00
(0.05)
タックス・ベネフィット(法人税額)
(g)
(0.09)
(0.01)
0.01
(0.14)
0.01
非継続事業(税引後)
調整後1株当たり当期利益(b)
6
アニュアルレポート 2015
0.01
0.00
0.02
0.22
(0.80)
$7.39
$6.96
$5.42
$4.94
$4.16
(単位百万ドル)
2015
2014
2013
2012
2011
調整後営業利益および調整後売上高営業利益率の調整
GAAP準拠の営業利益(a)
売上原価計上額(c)
販売費および一般管理費(純額)
(d)
企業再構築およびその他の費用(収益)
(純額)
(e)
企業買収に関係する無形資産の償却
調整後営業利益(b)
$2,336.2 13.8% $2,503.0 14.8% $1,609.6 12.3% $1,482.1 11.8% $1,250.8 10.8%
9.1
0.0%
327.6
1.9%
28.6
0.2%
55.6
0.4%
72.6
0.6%
46.3
0.3%
130.7
0.8%
73.5
0.6%
12.5
0.1%
61.5
0.5%
115.3
0.7%
77.7
0.6%
82.1
0.7%
96.5
0.9%
1,314.8
7.7%
763.1
5.8%
747.6
6.0%
647.9
5.6%
(598.2) -3.5%
1,331.7
7.9%
$3,821.7 22.5% $3,694.8 21.9% $2,552.5 19.5% $2,379.9 19.0% $2,129.3 18.4%
フリーキャッシュフローの調整
GAAP準拠の営業活動によるキャッシュフロー純額(a)
非継続事業で使用した(発生した)キャッシュフロー純額
資産、工場および設備の取得額
資産、工場および設備の売却による収入額
フリーキャッシュフロー(h)
$2,816.9
$2,619.6
$2,010.7
$2,039.5
$1,691.0
8.7
4.3
4.9
28.4
(14.4)
(422.9)
(427.6)
(282.4)
(315.1)
(260.9)
18.1
49.3
20.7
12.8
8.2
$2,420.8
$2,245.6
$1,753.9
$1,765.6
$1,423.9
(a)
「GAAP」準拠(報告対象)の業績は米国において一般に認められた会計原則(GAAP)に従って測定したものです。
(b)調整後の業績はGAAPに準拠しない指標であり、そのうち利益指標については、一定範囲の売上原価計上額(詳細は注(c)参照)、一定範囲の販売費および一般管
理費計上額または控除額(詳細は注(d)参照)、企業買収に関係する無形資産の償却、再編費用およびその他の(収益)費用(詳細は注(e)参照)、単発であるかま
たは定期的もしくは予測可能な形で再度発生するとは見込まれないその他の利益または損失のうち一定範囲のもの(詳細は注(f )参照)、上記各項目に係る税効果
および一定範囲のその他税務項目(詳細は注(g)参照)、ならびに非継続事業の損益を除外したものです。
(c) 報告対象の業績には、買収日現在で再評価を行った在庫の売却に伴う費用(2015年、2014 年、2013年、2012年および 2011年につきそれぞれ6.9百万ドル、303.4
百万ドル、23.9百万ドル、52.4百万ドルおよび69.5百万ドル)および施設の統合に伴って廃棄される予定の生産設備に対する加速減価償却(2015年、2014年、2013
年、2012年および 2011年につきそれぞれ 2.2百万ドル、2.8百万ドル、4.7 百万ドル、3.2百万ドルおよび 3.1百万ドル)を含んでいます。それに加えて、2014 年度の報
告対象業績にはライフテクノロジーズの会計原則を当社の会計原則に合致させるための費用21.4百万ドルを含んでいます。
(d)報告対象の業績には、買収に関係した第三者取引および統合費用( 2015 年、2014 年、2013 年、2012 年および 2011年につきそれぞれ12.2百万ドル、100.5百万ド
ル、51.7百万ドル、14.1百万ドルおよび59.7百万ドル)、買収に係る条件付対価の見積り変更に伴う(利益)費用(2015年、2014 年、2013年、2012年および 2011年
につきそれぞれ( 2.8百万ドル)、8.2百万ドル、13.5百万ドル、
(1.4百万ドル)および(1.2百万ドル))、製造物責任訴訟に伴う(利益)費用(純額)
( 2015 年、2014
年、2013年、2012年および 2011年につきそれぞれ19.4百万ドル、5.2百万ドル、8.3百万ドル、
(0.2百万ドル)および 3.0百万ドル)、および合併のシナジーにより廃
棄される予定の生産設備に対する加速減価償却(2015年および 2014 年につきそれぞれ17.5百万ドルおよび0.6百万ドル)を含んでいます。それに加えて、2014 年度
の報告対象業績にはライフテクノロジーズの会計原則を当社の会計原則に合致させるための費用16.2百万ドルを含んでいます。
(e) 報告対象の業績には、主として退職給付からなる企業再構築およびその他の(収益)費用(純額)、廃棄済施設、ならびに複数の事業部門における社員削減に伴う
その他の費用、ならびに不動産の合筆を含んでいます。2015年度については、取得した事業に関する訴訟費用20.0ドル、取得した開発中技術の減損14.9ドルおよび
合併期日現在における合併した企業の社員に対して契約上支払うべき現金対価 5.0百万ドル(そのうち製品ラインおよび不動産の売却による利益11.2百万ドルを一
部相殺)を含んでいます。2014 年度については、血清および媒体事業、遺伝子調節事業、磁気ビーズ事業ならびにCole-Parmerブランド事業他の売却による収益
895.4百万ドル、買収日現在でライフテクノロジーズの社員が保有していた特定の株式型報酬の現金化に伴う現金対価計上額 91.7百万ドル、年金の精算に伴う費用
29.3百万ドル、ならびに不動産の売却による収益15.3百万ドルを含んでいます。2012年度については、複数の小規模な事業単位に関連した無形資産の減損額10.7
百万ドルおよび買収前の訴訟関係事象による収益 5.9百万ドルを含んでいます。2011年度については、買収日現在でダイオネクスの社員が保有していた株式型報酬
の現金化に伴う現金対価21.2百万ドルおよび複数の小規模な事業単位に関連した無形資産の減損額12.1百万ドルを含んでいます。
(f) 報告対象の業績には、企業買収に関係する無形資産の償却および当社の株式投資に伴う再構築費用( 2015 年、2014 年、2013 年、2012 年および 2011年につきそ
れぞれ 2.2百万ドル、2.2百万ドル、2.4百万ドル、4.8百万ドルおよび 3.3百万ドル)を含んでいます。2015 年度の報告対象業績には、債務の早期弁済に伴う損失11.9
百万ドルおよび金利スワップ契約の締結に関連した費用7.5百万ドル(そのうち投資による純利益 0.1百万ドルを一部相殺)を含んでいます。2014 年度の報告対象業
績には、売却可能金融資産および株式投資からの収益 6.3百万ドル、ならびにライフテクノロジーズの買収に関係してブリッジファイナンスのコミットメントラインを
設定するために支払った費用の償却に関する費用計上額1.0百万ドルを含んでいます。2013年度の報告対象業績には、ライフテクノロジーズの買収に関係してブリッ
ジファイナンスのコミットメントラインを設定するために支払った費用の償却に関する費用計上額 73.9百万ドル(そのうち売却可能金融資産および株式投資からの
収益15.9百万ドルを一部相殺)を含んでいます。2012年度の報告対象業績には、債務の早期弁済に伴う損失0.5百万ドルを含んでいます。2011年度の報告対象業績
には、ファディアの買収および同社の複数通貨型債務の弁済に関係して締結した通貨ヘッジ契約から生じた利益 27.6百万ドルならびに株式投資による収益17.8百万
ドル(そのうちファディアの買収に関係した短期コミットメントライン設定費用10.3百万ドルを一部相殺)を含んでいます。
(g)報告対象の法人税額には、GAAPと調整後当期利益との調整項目(税引前)に関する追加タックス・ベネフィット(2015年、2014年、2013年、2012年および2011年
につきそれぞれ478.3百万ドル、277.8百万ドル、306.1百万ドル、299.1百万ドルおよび 271.4百万ドル)および税率変更に伴う当社の繰延税金資産・負債残高の調
整による追加タックス・ベネフィット(法人税額)
(2015年、2014 年、2013年、2012年および 2011年につきそれぞれ37.5百万ドル、5.5百万ドル、
(5.4百万ドル)、
52.6百万ドルおよび(11.7百万ドル)
(2013 年については税務調査に関する和解分を含む)を含んでいます。2011年度については、ファディア買収の結果として生じ
た税務上の繰越欠損金を利用しうるようになったことによる追加タックス・ベネフィット7.9百万ドル、および税務調査の解決による追加タックス・ベネフィット1.5
百万ドルを含んでいます。
(h) 2014 年度および 2013年度のフリーキャッシュフローは、ライフテクノロジーズの買収に関係した資金支出(特定の株式型報酬の現金化、退職給付債務、第三者取引
および統合費用、ならびに2013年度におけるブリッジファイナンスのコミットメントライン設定費用を含む)によりそれぞれ325.1百万ドルおよび108.4百万ドル減少
しました。
アニュアルレポート 2015
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株主向けサービス
サーモフィッシャーの株主様で当社に関する情報をご希望の方は、インベスター・リレーションズ部(168 Third Avenue, Waltham,
MA 02451, USA)、電話番号1(781)622-1111 までご連絡いただくか、investorrelations@thermofisher.com宛に電子メールをお
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年次株主総会
年次株主総会は2016年5月18日(水曜日)午後1時よりマンダリンオリエンタル ニューヨーク(80 Columbus Circle at 60th Street,
New York, NY 10023)で開催しました。
10-K様式に記載の年次報告書
本文書に付属する10-K様式に記載の2015年12月31日に終了した財務年度に係る年次報告書は付属書類を含んでいません。付属書類
は米国証券取引委員会に提出されています。それら付属書類および米国証券取引委員会に提出された定期報告書の写しをご希望の場
合は、当社インベスター・リレーションズ部までご請求いただければ無料で差し上げます。
将来予想に関する記述
本アニュアルレポートは米国1934年証券取引所法第21E条にいう「将来予想に関する記述」を含んでいます。本文書の記述のうち過去
の事実を述べたもの以外は将来予想に関する記述とみなすことができます。
「確信する」
「予想する」
「計画する」
「期待する」
「追求す
る」
「予測する」といった語句および同様の表現は将来予想に関する記述であることを明らかにする意図で用いられています。当社の
予想が変更された場合、当社は将来予想に関する記述を将来更新することがありますが、更新する義務は一切負いません。当社の業
績は、さまざまな要因により、将来予想に関する記述(本文書に付属する10-K様式に記載の2015年12月31日に終了した財務年度に係
る年次報告書中、
「リスク要因」の見出しで第Ⅰ部第1A 項に詳述した業績を含みます)に記載された業績と大きく異なる可能性があり
ます。
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アニュアルレポート 2015
経営陣
Marc N. Casper
社長兼最高経営責任者
Alan J. Malus
Andrew J. Thomson
シニア・バイスプレジデント兼
ヨーロッパ、中東およびアフリカ責任者
Joseph C. Beery
エグゼクティブ・バイスプレジデント兼
ラボプロダクツ・サービス部門責任者
シニア・バイスプレジデント兼最高情報責任者
Mark P. Stevenson
Seth H. Hoogasian
エグゼクティブ・バイスプレジデント兼
ライフサイエンスソリューションズ部門責任者
Peter M. Wilver
エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高総務責任者
Stephen Williamson
シニア・バイスプレジデント兼最高財務責任者
Patrick M. Durbin
シニア・バイスプレジデント兼
スペシャルティダイアグノスティックス部門責任者
Gregory J. Herrema
シニア・バイスプレジデント兼カスタマー・チャネル責任者
Syed A. Jafry
シニア・バイスプレジデント兼アジア太平洋・新興市場責任者
Thomas W. Loewald
シニア・バイスプレジデント兼最高コマーシャル責任者
Frederick M. Lowery
法務担当シニア・バイスプレジデント
Shiraz Ladiwala
戦略・コーポレート開発担当シニア・バイスプレジデント
Susan G. Rice
人事担当シニア・バイスプレジデント
Alex G. Stachtiaris
グローバル・ビジネス・サービス担当シニア・バイスプレジデント
Kenneth J. Apicerno
インベスター・リレーションズ担当バイスプレジデント
Peter E. Hornstra
バイスプレジデント兼最高会計責任者
Karen A. Kirkwood
コーポレート・コミュニケーションズ担当バイスプレジデント
Anthony H. Smith
税務・財務担当バイスプレジデント
シニア・バイスプレジデント兼ラボプロダクツ部門責任者
Daniel P. Shine
シニア・バイスプレジデント兼
アナリティカルインスツルメンツ部門責任者
取締役会
Jim P. Manzi
Judy C. Lewent
取締役会議長、Stonegate Capital 会長
(プライベートエクイティ
投資)
、Lotus Development Corporation
(コンピューター・
ソフトウェア)
前会長、社長兼最高経営責任者
Merck & Co., Inc.(医薬品)前エグゼクティブ・
バイスプレジデント兼最高財務責任者
Marc N. Casper
TE Connectivity Ltd.(電子工学)会長兼最高経営責任者
社長兼最高経営責任者
Nelson J. Chai
CIT Group Inc.(銀行持株会社)前社長
Thomas J. Lynch
William G. Parrett
Deloitte Touche Tohmatsu(監査法人)前グローバル
最高経営責任者
C. Martin Harris
Scott M. Sperling
Tyler Jacks
Elaine S. Ullian
Cleveland Clinic(ヘルスケア)最高情報責任者
マサチューセッツ工科大学 David H. Koch 研究所 生物学教授
David H. Koch がん総合研究所 ダイレクター
Thomas H. Lee Partners, L.P.(レバレッジバイアウト)共同社長
Boston Medical Center(ヘルスケア)前社長兼最高経営責任者
Thermo Fisher Scientific Inc.
168 Third Avenue, Waltham, MA 02451 USA
thermofisher.com