「源氏物語絵巻 「東屋一 の空間配置*1)

일본연구 제49호
2011년 9월 30일 211-228쪽
「源氏物語絵巻」「東屋一」の空間配置*1)
2)金
秀 美**
< 目次>
Ⅰ. はじめに
Ⅳ. 画面における人物の空間配置とその
Ⅱ.「東屋一」の段の詞書と物語本文の
意味
比較
Ⅴ. 結論
Ⅲ. 詞書の改変ー「二人ばかり」の解釈
をめぐってー
key words : 源氏物語絵巻、詞書、物語本文、空間配置、絵巻の時間
Ⅰ. はじめに
徳川・五島本「源氏物語絵巻」の画面を『源氏物語と関わらせて分析する
視座は、美術史のみならず、日本文学の領域においても長年用いられてきた
ものであった。
日本文学界では、玉上琢弥氏が物語と絵画の密接な繋がりを力説して以来
1)、様々な実践的な試みが行われてきたが、近年の文学研究が物語テキスト
の領域を越え、様々なメデイアを対象として取り扱おうとする研究動向と相
俟って、その方法もより一層多様化・多角化されつつあるといえよう。さら
1998年着手した徳川・五島本「源氏物語絵巻」全巻復元プロジエクトが
2005年完結し、その復元模写の制作過程が、NHK放送により「よみがえる源
に、
氏物語絵巻」シリーズとして全国に放映されたこととなり、絵巻・物語に対す
고려대학교 특별연구비에 의하여 수행되었음
*
** 高麗大学校日語日文学科助教授、日本古典文学専攻
1) 玉上琢弥「物語音読論序説」『源氏物語評釈角川書店 p.143-155
212 日本研究…第49號
る関心は一般大衆にまで広がり、研究も一層活気を帯びるようになった。画
面の視覚表象や表現技法の分析、物語テキストや絵詞の解読、もしくは様々
な理論を取り入れて、文学と美術共通の文法、枠組みを探ろうとする研究方
法は、定着を見せているようである。
このように各分野が細分化されつつ、物語と絵巻をめぐる分厚い研究成果
が積み重ねられていく中で、本稿では、『源氏物語本文テキストと、徳川・
五島本「源氏物語絵巻」の詞書を比較・検討し、文字で描かれた物語内容が絵
巻の画面にどのように視覚化されていくのかを考察してみたい。
詞書は絵の説明文であるため、絵と詞書とはお互い補い、共鳴しながら存
在するものである。また、徳川・五島本「源氏物語絵巻」は『源氏物語の場
面を絵画したものであり、詞書も基本的内容や文章は、その物語本文から抜
粋したものである。即ち、物語本文と詞書とは書かれた目的が異なるが、絵
の画面を理解するのに重要な端緒を提供するものといえよう。従って、物語
本文と詞書を比較しながら、その内容が絵巻がどのように描かれていくのか
を検討する作業は、絵の画面の性格をより明確に掬い上げる基本的作業にな
るのであろう。
まず、ここでは、まずその作業の一歩として、徳川・五島本「源氏物語絵
巻」の中で「東屋一」の場面を取り上げる。この「東屋一」の段の場合、『源氏
物語テキストの本文にも、絵巻の詞書にも、人物の位置や空間に関する具体
的な情報が提供されていない。というのは、この「東屋一」の画面に描かれた
空間配置というのは、物語をどのように理解し、どのように絵画化しようと
したのか、絵を担当した制作者や画家の解釈になるわけであろう。即ち、こ
の「東屋一」の段というのは、物語本文と詞書、絵の画面の性格を究明するの
に、よい材料になると思われる。
Ⅱ.「東屋一」の段の詞書と物語本文の比較
では、まず徳川・五島本「源氏物語絵巻」の詞書とそれに対応する『源氏物