ジャズ批評3 100円からのCD批評 マークポイ ント ● ●● ●●● ●●●● ●●●●● <11> ・Courtney Pine [WITHIN THE REALMS OF OUR DREAMS] 200 円 {ANTILLES/1991年発 売アメリカ版} 松戸 にて <12> ・Various Artists [A TWIST OF JOBIM] 300 円 {POLYGRAM/1997年 アメリカ盤未開封} 松戸にて VOL.3 <評価> 安くても買って損した どうでも良い まあ、いいんじゃな∼い かなり満足できた 非常に満足、してやったり! ロンドンジャズシーンで活躍しているコートニィ・ パイン。このCDでは思ったよりもストレートな ジャズを繰り広げている。いつもはオリジナル中心 の構成のようだが、ここではパーカーやオーネット ・コールマン、W・マルサリスのナンバーも含まれ ており、メンバーも、ケ二ー・カークランドのピア ノ、チャールス・モフェットのベース、ジェフ・ ワッツのドラムというB・マルサリスグループの中堅 どころを揃えている。おそらくプロデューサーであ るD・マルサリスの仕掛けだと思えるが、成功して いるようだ。 この人のCDは、ディスク・ユニオ ンあたりのジャズ中古コーナーだとあまり評価の高 い値段がついていないから、比較的入手しやすい。 現代のロンドン系サウンドミックスで、ジャズのフ レーバーよりも都市のアフロ感覚を追求していくタ イプ。凡庸なR&Bやラップより挑戦的で面白いのだ が、日本ではイマイチ評判がでない。 満足度/●● ● (購入日:2000.8.) ジャズ、フュージョン畑のミュージシャンによるア ントニオ・カルロス・ジョビンへのコンピレーショ ン。リー・リトナー、アル・ジャロウ、H・ハンコッ ク、D・グルーシン、イエロージャケットなど豪華な 顔ぶれでトリビューとしている(変わったとこでオ リータ・アダムスとエル・デ・バージ)。当然ボサ ノバの名曲が収められており、如何なる雰囲気にま とまるかなと買いました。 果たして、プロデュー スがリトナーと聞いておおよそのサウンドアレンジ は見当がつくでしょ。グルーシン兄弟やあの辺りの 人達は妙なブラジル・コンプレックスを抱いてい て、さりとて本場もんのリズムへは素直に溶け込め ないようである。ボサノバへもLA風アプローチなの で時計の針を70年代後半に戻してしまう。ジェント ル・ソウツ時代に聞き覚えのあるサウンドが展開さ れてます(でも、もうちょっと何とか出来ないんで しょうか)。 いやー、珈琲タイムのBGMにはピッ タシ!お洒落な気分になります ってところで、 ジャズ批評3 後に何に∼も残らない、もたれない、まさに[Agua de Beber(邦題は『おいしい水』、直訳すると「飲み 水」)]ならぬ水のような音楽、サウンドスケープ (ジョビンの音楽そのものがそうだという人も多 い?)。その中でもハンコックがフューチャーされ てる[STONE FLOWER]が、まだ少しジャズ感覚を有 していて救いであります。 満足度/●● (購入 日:2000.8.1) <13> ・keith Jarret 「星影のス テラ;STANDARDS LIVE」 480円 {ECM/1986年発売 国 内版} 柏にて <14> ・John Pizzarelli 「NATURALLY」 200円 {NOVUS/1993 年発売アメリカ盤} 秋葉原にて 安い価格でも名盤は市場に出回っていて、探せばみ つかるという良き実例。古本チェーン店のCDジャズ コーナーにたまたま在って、飛びついた。何を間 違ったか480円。それでいて一般CDショップから下り てきた中古の駄ポップスが、平気で1780円とかのプ ライスを付けて目立つコーナーで踏ん反り返ってい る。ユニオンあたりでは、いくら頑張ってもネーム バリューからキースのアルバムが1000円以下で購入 できる筈は無い。この辺が古本チェーン店のCDコー ナーのマカ不思議!? いまさら解説不要だが、4曲 目の「トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ」か ら次の「今宵の君は」にかけての繋がりこそ、キー スらしい歌心とトリオの息があった至福のプレイが 随所にあり、私にはこのアルバムの真骨頂と感じら れる。 ジャズファンは、正真正銘のCDショップば かりあさるのではなく、時折街角の中古本屋やレン タルCD屋にでも行ってみると思わぬ発見があります よ! 満足度/●●●●● (購入日:1999.4.5) ジャズ界にも2代目、3代目のミュージシャンがかな り多くなってきたが、この人もバッキー・ピザレリ の息子で同じくギタリスト。名前は前から知ってい たがとりわけ注目すべき人でもなく、まあビッグバ ンドあたりの編成をバックに、懐かしきスタイルの ジャズをやっている。 ハリー・コニックJR.とか古 くはスコット・ハミルトンなど若いのに親父ジャズ をやっているのが、まあ売りなのかもしれないが、 あまりピンとこないというのが正直な感想。若いの に安定しても仕方ないんじゃないかなと勝手に思っ てしまうっス。まあ、ギタリストって所を見せる意 味と尊敬をこめて、ジャンゴラインハルトあたりを やるのも親父趣味ではある。 「リラックスタイム をジャズで!」という趣きとノスタルジックなジャ ズシーンが好きな人には置いていても悪くはない。 ワチキあ、これでピザレリは打ち止めで、ハリーコ ニックも中古CD屋の常連で以前は迷う事もあった が、これからは手に取る事もせずに済みそうであ る。このCDのお陰です。 満足度/●● (購入 日:2001.2.6) ジャズ批評3 <15> ・Super Trombone 「ハ ロー・ヤング・ラバー ズ;HELLO YOUNG LOVERS」 500円 {SWEET BASIL/1996年発売 国 内盤新品} 松戸に て 日本企画・制作によるセッションアルバムで、デ ビッド・マシューズの編曲によるスタンダードナン バーをトロンボーン中心のアンサンブルでやってま す。スーパーサックスもそうだが、同じ楽器編成の ジャズ演奏はどうもその楽器の持ってる良さがブラ スバンド風に出ちゃうのが考えもの。楽器特性にも よるが、このCDはミッチ・ミラー合唱団みたいな ニュアンスがあって、1曲目の「ハロー・ヤング・ラ バーズ」はものの見事にその路線に聞こえる。JJジョ ンソンに捧げるのは良いけど、最後に持ってきた方 がアルバムのコンセプトとしては正解。例えば、 「マイルストーンズ」を1曲目に持ってくると全体構 成がカチッとしてくるように思える。プレイヤーの 中ではケビン・ユーバンクスが頑張っている。 しか し、このジャケなんとかならないのでしょうか?テ イチクさん(おまけにスウィングジャーナルの特選 ディスクだと )。いくら予算がないのかどうか知 らないけど、安いレンタルフォトで済ませてるのが アリアリでジャズCDじゃありませんよ、これじゃ 。デザイン料はケチると売上も落ちるという明白 な証拠。 満足度/●●● (購入 日:1999.8.23)
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