巻 頭 言 研究会活動 “群馬大学ブレイクスルーテクノロジー研究会”設立 突破力を持った研究で新産業を創出する! 理工学研究院 環境創生部門 教授 黒田 真一 群 馬 大 学に産 学 官 連 携を推 進する新しい研 究 り組めば、大きな相 乗 的 効 果が期 待できます。 特 会 が 設 立されました。2013 年1月 29 日に発 足し に 2010 年に日本 政 府 が 策 定した新 成 長 戦 略 で たこの研究会は 「群馬大学ブレイクスルーテクノロ 示されたグリーン・イノベーションやライフ・イノベー ジー研究会」といいます。既存技術にイノベーショ ションの分野では、異業種連携・医理工連携など ンをもたらし、 国 際 競 争 力を有する新 産 業を創出 を通して、必ずや新産業の創出および我が国をリー することにより社 会 貢 献を果たすとともに、その担 ドする人材の育成に結実するものと思われます。 い手となる人 材を育 成することを目的として設 立さ 幸いにも群馬大学が 2007 年度に開設した太田 れました。 キャンパスでは、生産システム工学科・専攻が機械・ 電気電子・情報・材料の4工学領域を中核として 北関東地域における産業活性化のために 様々な技術を統合した学際的研究・教育を推進し 北 関 東 地 域では、自動 車 産 業あるいは機 械 産 てきました。2008 年度に文部科学省に採択された 業の集積が見られ、数多くのプラスチック・金属成 「 一 社 一 博 士 創 出プロジェクト」 においては、 企 形加工メーカーが存在します。一般的に俯瞰すれ 業ニーズに基 づいた共 同 研 究を通して社 会 人 学 ば、大 手 企 業の海 外 への進出、企 業 統 合 等で、 生に学 位を授 与する体 制を整 備し、また、MOT 我 が 国の市 場は沈 滞・縮 小の憂き目にあい、 協 ゼミの実 施、 海 外 連 携 機 関との国 際シンポジウム 力工場型中小企業は既存の仕事の急減に直面し 開催など、企業をリードするグローバル人材の育成 ています。今後は、独自性を有する仕事を広域的 に寄与してきました。 に受注できる企業へと進化していくことが必要不可 折しも本 年 度、群 馬 大 学 工 学 部・工 学 研 究 科 欠だと考えられます。このために求められるものは、 が 理 工 学 部・理 工 学 府 へ 改 組されたのに伴い、 従来の殻を打ち破ってイノベーション創出に挑んで 太田キャンパスは全学的産学連携拠点と位置づけ いく企業家の層を厚くすることに他なりません。 られ、 北 関 東 地 域における企 業 群の産 業 技 術を 高 度 化し、 新 産 業 創 出につながる新 技 術を創 出 群馬大学の果たすべき役割 すべく、産学官共同研究を従前にも増して精力的 翻って日本における大 学の使 命を考えてみます に推進する責務を担うことになります。 と、2012 年6月に文部科学省の 「大学改革実行 プラン」 に示されたように、「 知の拠 点 」として、 新研究会の構想 社 会の変 革を担う人 材 育 成、 知 的 基 盤の形 成、 こうした背 景のもと、 関 連した研 究 者、 技 術 者 イノベーションの創 出および 地 域の産 業 振 興 への の交流の場を積極的に提供し、新たな産業の芽と 貢献を果たしていくことが強く求められています。こ なる技術とその担い手となる人材を育成することを れに応えるべく、大学が地域産業界と連携して取 目的として、「群馬大学ブレイクスルーテクノロジー − 20 − 研 究 会( 以 下 BTT 研 究 会と記します)」を設 立 巻 頭 言 (3)国際シンポジウム分科会 研究会活動 しました。BTT 研 究 会 では、 産 産 連 携 が 頻 繁 今年で6年目を迎える先端材料・生産技術関連 に成立するようなイノベーターネットワークを形成し、 の国際シンポジウム(ICA3M)を中国・韓国をは その活 性 化された雰 囲 気の中に大 学の技 術シー じめとする海 外の大 学・研 究 機 関と共 同で企 画・ ズを投入することにより、突破力を持った研究を推 運 営します。 研 究 会 の 企 業 の 皆 様 のためのスタ 進して新産業を創出していきたいと考えています。 ディーツアーの開催や技術移転のサポートも行って 産 学 官 金 融の連 携のもとに素 材 開 発から市 場 いく予定です。 開 拓に至るまでのす べての工 程の研 究 開 発を可 能な限り推進し、その過程において次世代企業リー 設立記念講演会を3月7日に開催 ダーを育 成していきます。 研 究 会の対 象 領 域は、 本 年3月7日( 木 )に、 桐 生 地 域 地 場 産 業 振 幅 広い製 造 技 術 分 野であり、 医 学と理 工 学の分 興センターにおいて、BTT 研 究 会の設 立 記 念 講 野融合も図っていきます。 演 会を開 催しました。 群 馬 大 学 保 健 学 研 究 科・ 土 橋 邦 生 教 授による「 保 健 学 研 究 科における産 新研究会の事業内容 学 連 携 活 動および 病 院・介 護 現 場からの共 同 研 BTT 研 究 会は、産 学 官の幅 広い人 材、団 体 究提案」、群馬大学工学研究科・安藤嘉則准教 が参加する会とすることを目指しています。新研究 授による「人と触れあう用途に向けた次世代ロボッ 会では、前 述の事 業を推 進するために、次のよう トにおける安 全 技 術の動 向 」、関 東 経 済 産 業局・ な分 科 会を設 置します。また、必 要に応じて新た 古 郡 靖 参 事 官による「 平 成 25 年 度の産 業 支 援 な分科会を設置する予定です。 施 策 説 明 」 の講 演に約 70 名の参 加 者が耳を傾 (1)共同研究プロジェクト推進分科会 けました。 交流セミナー、共同研究の企画・推進と成果報 今年度は、技術交流会・見学会などを3つコア 告会を担当します。新事業分野への参入を検討し プロジェクトが月代わりに担 当して交 流セミナーを ておられる企業の皆様と共同研究を推進する、新 実施するほか、8月 25 日からは中国・大連で第6回 研究会の中核組織です。環境適合・省エネルギー・ ICA3M を開催する予定です。 高品位(感性)ライフ実現 をキーコンセプトとす 多くの有志の方に BTT 研究会にご参加いただ る3つの“コアプロジェクト”(グリーンマテリアル、 けることを願っています。お問 合 せは代 表 幹 事・ ヒューマンサポート、メディカルアプリケーション)を 黒 田(skuroda@gunma-u.ac.jp)までお寄 せく 当面の重点領域として、講演会や工場見学を通し ださい。 て、将来性のある新しいテーマについて参加者が 一緒に勉強し、自由に意見を交わし、新しい事業 の種を発見し、それを育んでいきたいと思います。 (2)産業創成ゼミ分科会 群 馬 大 学 生、 次 世 代の企 業リーダーの皆 様を 対 象として、産 業 創 成ゼミを開 催します。 技 術 経 営をはじめとする講 義とケーススタディ演習、先 達 の皆 様からの生きた情 報を通して、新しい事 業を 展 開していくための 極 意を身 につけていただき ます。 3 月 7 日に開催された設立記念講演会の様子 − 21 −
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