平成27年9月号 平成27年9月号 (No114) 〒393-0047 発行日平成22年3月20日 長野県諏訪郡下諏訪町西赤砂4342-6 TEL.0266(28)0505 FAX.0266(28)0550 E-mail. mail@azami-clinic.jp ▶特集 認知症 ▶スタッフコラム 豆腐入りフワフワどら焼き 9月21日は敬老の日。「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を 敬愛し、長寿を祝う日」と1965年から祝日として 定められています。「父の日」「母の日」が外国から 輸入された記念日なのに対し敬老の日は日本独自 のものです。今年もおじいちゃん・おばあちゃんに 感謝の気持ちを伝えましょう。 65歳以上の5人に1人が認知症 我が国の高齢化率(65歳以上の総人口に占める割合)は 25.1%(平成26年内閣府調査)、約4人に1人が高齢者という 超高齢者社会に突入しています。 加齢に伴い、増える病気の一つに認知症があります。認知症 とは脳の神経細胞が壊れたり、機能が低下することで日常生活 に支障をきたす状態の総称です。高齢化とともに認知症の患者 数も増加しており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知 症になると推計されています。認知症といわれると諦めるしかな かった時代もありましたが、認知症をとりまく医療はめまぐるしく 進化しています。治療薬の開発が進み、介護保険サービスの充 実によりサポート体制も整ってきました。 認知症かな…と思ったら早期に受診し、適切に対応することで 病気の進行を遅らせることができます。下記のような症状がある 場合は、まずかかりつけの先生に相談してみましょう。 【認知症の症状】 □物忘れがひどい(ついさっきの出来事を忘れる) □今までできていたことができなくなる ・家事や仕事が段取りよく行えない ・家電の操作ができない ・お金の管理ができない □人柄や性格がいつもと違う ・世間の出来事や、趣味などに関心を持たなくなる □時間や場所を間違える ・曜日や日付、季節を間違える ・外出時に道に迷う ▶胃と腸のお話 ▶食べ物よもやま話 口唇ヘルペス 茄子 気持ちに寄り添った対応を 認知症は対応の仕方一つで症状がよくなったり、悪くなったりし ます。認知症の人に接する時は、「何が正しいか」ではなく、 「どうしたら円滑にことが運ぶか」をまず考えることが大切です。 以下によく寄せられる対応例を紹介します。 Q同じことを何度も聞かれたら・・・ 同じことを何度も聞かされるとうんざりしてしてしまいますが、 本人は前に言ったこと自体忘れており、繰り返し聞いていると いう意識はありません。「いいかげんにして!」などと怒ると、 なぜ怒られるかわからず、反感をもったり戸惑い ます。カレンダーに一緒に予定を書き込むことで、 曜日の感覚や行事を印象づけられる場合もありま す。面倒でも根気よく対応することが大切です。 Q食事をしてないと言われたら・・・ 「さっき食べたでしょ」と言っても本人は納得しません。「これか ら支度するね」などと答えて時間を稼いだり、散歩などに誘い、 他の事に関心を向けさせるのも一つの方法です。あまりに 訴えが頻回な場合は1回の食事量を少なくし、2回に分けて 食べさせるのも一案です。 Q排泄の失敗があったら 排泄の失敗は本人にとっても恥ずかしく感じ、戸惑い隠そうと することもあります。「だめじゃないの!」などと叱ると余計に 失禁がひどくなったり、汚れたものを隠しそうとすることがあり ます。失禁しても大げさに反応せず、速やかに片づけてあげる ことが大切です。 Q物を盗まれたと言われたら・・・ 本人は大切なものが無くなったとパニックになっている状態で す。「ここにあるでしょ」などすぐ見つけて渡すと「(見つけた人 が)盗んだのではないか…」などと勘ぐってくることもあります。 このような時は「それは大変」と共感して一緒に探し、本人自身 が見つけるよう誘導することがコツです。また「おやつを食べて 少し落ち着きましょう」など関心を外に向けさせることも有効です。 症状があったら早めの受診を 認知症には様々な種類があります。起因となっている病気を 治すことにより症状が治まるタイプのものもあるので、早期の 受診が大切です。おもな認知症として脳の変性によって起こる アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症、脳梗塞などの 後遺症として起こる脳血管性認知症の3つがあり、それぞれの 特徴は以下のようになります。 【アルツハイマー型認知症】 ・記憶障害から始まり、広範囲な症状へ進行する ・認知症の中で一番多い 【レビー小体型認知症】 ・幻視(実際には存在しないものが見える) ・パーキンソン症状(手足が震える。小刻みに歩くなど) ・調子の良い時と悪い時を繰り返しながら進行する 【脳血管型認知症】 ・しびれや麻痺など神経の症状を合併することがある ・感情の起伏が激しくなる 100%の介護は目指さない 24時間認知症の人と関わる家族の苦労は大変なものです。 介護がつらいと感じたら、一人でなんでも頑張ろうと思わずに、 SOSを出すことが大切です。同じ境遇の方と話をしたり情報交 換できる“家族のつどい”に参加したり、介護保険サービスを利 用し本人と離れる時間を持つことで、自分の時間を持つ工夫を しましょう。サービスを利用することに最初は抵抗を感じる方も いるかもしれませんが、認知症の“プロ”が対応することで症状 が良くなることもあります。介護する人が心身とも健康であるた めに、気持ちを切り替えることも大切です。 特に男性介護者は地域でのネットワークが 少ないため、孤立したり一人で悩みを抱え込 みやすいと言われています。100%の完璧な 介護を目指すのではなく、70%でOKと考え、 頑張りすぎないようにしましょう。 平成27年9月号(No114) 胃 と 腸 の お 話 8・9月院内展示の御案内 下昨 さ年 いの 。花 火 大 会 の 作 品 を 、 ぜ ひ お 楽 し み 諏長 訪野 湖市 の在 花住 火の 写塚 真本 展勝 を司 開氏 催に しよ てる い ま す 。 諏塚 訪本 湖勝 司 光氏 の シ ン フ ォ ニ ー 展 口唇ヘルペスをご存知でしょうか。口の 周りにできる発疹で、水疱をともなったチク チクしたなんとも言えない痛みに悩まされ ます。 口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルス (HSV-1)による感染症です。ちなみに HSV-2ウイルスもあって、こちらは主に 性器に発疹を生じるウイルスです。 幼少期に感染することが多く(初感染)、 この際は発熱、頭痛など感冒様症状となり ます。ウイルスは完全排除されることはな く、三叉神経節とよばれるところに潜みま す。その後風邪をひいたり、強いストレスを うけたりして体の免疫が低下するとHSV-1 が再活性化して神経節から神経を伝って 皮膚で炎症を生じます(再感染)。大人の 約3割の人に、1度は発症経験があるとい われています。口唇病変が多いですが鼻 腔の周りや頬、目の周りにも好発します。 スタッフコラム 9月2日(水) 14:00~15:00 場所 あざみ胃腸科クリニック 認知症の正しい知識や 対応の仕方の学習会です。 受講された方には、認知症 サポーターの印であるオレ ンジリングをお配りします。 口唇ヘルペス 【材料(8個分)】 ホットケーキミックス 木綿豆腐 卵(溶いておく) 牛乳 砂糖 バター あんこ(8等分にする) 初期は掻痒感や違和感、灼熱感ですが、 1~2日後には発赤し、水疱を伴います。数 日後には水疱が融合したり膿をもったりし ますが、一週間もすればカサブタを形成し 治癒します。特に治療は必要はありません が、抗ウイルス剤の塗布剤や、重症化しそ うな時には内服を併用することもあります。 口唇ヘルペスはあまり強い免疫はできな いので何度も再発し、多い人では年1~2 回生じることもあるようです。神経節で潜ん で免疫低下で発症するというと、水疱瘡ウ イルスが帯状疱疹を起こすのとよく似てい ますね。 有効な対処法は特にありませ んが、ストレスをなくし風邪に負 けない体力をつけること、もし発 症したら重症化しやすい人はウ イルスの活性化している発症早 期に薬を塗り始めることです。 豆腐入りフワフワどら焼き 看護師 200g 大1/4個 1個 100cc 15g 15g 150g 武居千恵 【作り方】 1.豆腐をつぶす。 2.ボールにホットケーキミックスを入れ、牛乳・ つぶした豆腐・溶き卵・砂糖を入れてよく混 ぜる。 3.温めたフライパンにバターを入れて2を 16等分に分けて両面焼く。 4.あんこを挟んで出来上がり。 食 べ も の よ も や ま 話 朝晩に秋の気配を感じる季節になりました。 秋に美味しくなる食べものは数多くあります。 この時期、「秋茄子は嫁に食わすな」という諺 が頭に浮かびます。秋茄子は日中と朝晩の気 温差により、実がしまり美味しくなります。この 美味しい茄子を憎らしい嫁に食べさせるのは もったいないという嫁いびりの意味もあります が、他にも解釈があるようです。秋茄子には種 が少ないので子種ができなくなるから嫁には 食べさせないほうがよい。水分量が多い茄子 は体が冷えるので嫁(妊婦)に食べさせるのは 体に悪いという嫁の体の事を 思っての意味。又「よめ」は「夜 目」と書き、夜目とはネズミのこ とを言うことからネズミに食べら れないように注意しろという意 味。いろいろな解釈があるので すね。 9月 茄子 さて、茄子の紫紺色の皮にはポリ フェノールの一種「ナスニン」が含まれ ています。ナスニンとは日本初の女性 科学者 黒田チカさんが命名したアン トシニン系色素で強い抗酸化力があ り、癌や生活習慣病のもとになる活性 酸素を抑える働きが強くコレステロー ルの吸収を抑える作用もあるそうで す。その他眼精疲労の回復に効果が あるとか。ですから茄子は皮を剥かず に食べるのがお勧めです。またアント シニン色素は古釘や焼きみょうばんを 利用すると鉄イオンによって安定した 色になります。みょうばんを含んだ漬 物液に茄子を漬けると色がきれいにな るのはこのためなのです。 管理栄養士 笠原由美
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