高分子アクチュエータの制御方法と 微少流体送出装置 福井大学 学術研究院工学系部門 知能システム工学分野 (工学部 機械・システム工学科 ロボティクスコース) 准教授 庄司 英一 高分子アクチュエータの制御方法と微少流体送出装置の二部構成で解説します 注意:資料コンテンツの保護のためこのプレゼン資料は文書のみで、図やデータを入れ ていません。当日、発表会場でのプレゼンには図やデータ、動画を入れて解説します。 1 高分子アクチュエータの制御方法 従来技術とその問題点 一般的に行われている制御方法では、直流電 圧の連続的な印加があるが、 ・変位量や発生力の制御上の不安定性 ・高電圧による電極層の劣化 等の問題がある。学術的な作動確認には良い が実用的な方法としては問題がある。 2 高分子アクチュエータの制御方法 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であった、電位制御に変わ るパルス駆動による方法を提案する。 • アクチュエータの湾曲変位量および発生力を 電圧を一定に保ったままパルス幅を変化させ ることで制御が可能となった。 • 本技術の適用により、小さな変位量や発生力 の制御を安定に行え、また、アクチュエータの 劣化も低減できることが期待される。 3 高分子アクチュエータの制御方法 想定される用途 • 本技術の特徴から、アクチュエータの変形量 や発生力を利用する実際的な動きの制御に 適用可能なのでメリットが大きいと考えられる。 • 上記以外に、素子の劣化を軽減する効果が 得られることも期待される。 • また、最大印加電圧が低電圧な特徴に着目 すると、有機溶媒や水が接する用途に展開す ることが可能である。 4 高分子アクチュエータの制御方法 実用化に向けた課題 • 現在、制御波形について基本的な動きが可能 なところまで開発済み。しかし、ベース周波数 の効果が未解決である。 • 今後、小型PWM電源装置の開発から波形を 自在に制御して実験データを取得し、広範囲 な用途で制御する際の条件設定を行っていく。 • デューティ比を下げた制御によりどこまで劣化 を低減できるかの知見集積をする必要もあり。 5 高分子アクチュエータの制御方法 企業への期待 • 未解決のアクチュエータの劣化低減について は、制御波形により克服できると考えている。 • 小型組込電源の設計や製造技術を持つ企業 との共同研究を希望。 • また、ソフトアクチュエータをメカトロ分野、ロ ボティクス分野に展開を考えている企業には、 本技術の導入が有効と思われる。 6 高分子アクチュエータの制御方法 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :アクチュエータ駆動システ ムおよびアクチュエータの制御方法 • 登録番号 • 出願人 • 発明者 :特許第5252616号 :福井大学 :庄司英一 7 微少流体送出装置 従来技術とその問題点 マイクロポンプ(微少流体送出装置)には、圧電 素子(ピエゾ素子)による送出方法等があるが、 ・駆動には高電圧が必要 ・安全・安心の点から使用溶媒に制約 ・バイオや医療関係での安全・安心性 等の問題があり、広く利用されるまでには至って いない。また、モーターとプランジャーを組合せた ポンプは作動音や脈流、大きさの問題がある。 8 微少流体送出装置 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であった電圧を下げること に成功した。安全・安心性が格段に向上する。 • 従来品に比べ、低電圧駆動なのでバイオや医 療機器、分析機器への使用が可能となった。 • 圧電素子(ピエゾ素子)などに比べ、ソフトアク チュエータの特徴として大きな変形が発生でき るので、流量も増加できる。制御波形により流 量を下げることも勿論できる。 9 微少流体送出装置 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、流体マイク ロポンプを必要とする装置に組み込むことで 小型化が図れるメリットが大きいと考えられる。 • 上記以外に、低電圧駆動なので、安心・安全 性が得られることも期待できる。 • また、開発した試作品に着目すると、溶媒など の液体以外にも気体を送出する用途に展開 することも可能と思われる。 10 微少流体送出装置 実用化に向けた課題 • 現在、マイクロポンプ装置について2V以下の 駆動電圧で毎分100μL程度までの流量制御 が可能。耐久性については未解決である。 • 今後、印加電圧と波形に関わる電源部の検 討による実験データを取得する。より作動電 圧を下げる電極構造は開発中である。 • 実用化に向けて、流量を毎分数μL以下まで 安定に制御できる技術を確立したい。 11 微少流体送出装置 企業への期待 • 流量のさらなる低減については、膜材や電極 技術により克服できると考えている。 • 小型の化学分析機器や医療機器の技術を持 つ、企業との共同研究を希望。 • また、マイクロポンプを開発中の企業、μTAS や化学分析分野への展開を考えている企業、 マイクロ燃料電池を開発中の企業には、本技 術の導入が有効と思われる。 12 微少流体送出装置 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :高分子アクチュエーターの制御 方法、高分子アクチュエーター及びこの高分子 アクチュエーターを利用した微少流体送出装置 • 出願番号:特願2014-154925 • 出願人 :福井大学、若狭湾エネルギー研究 センター • 発明者 :庄司英一、畑下昌範 13 高分子アクチュエータの制御方法 微少流体送出装置 お問い合わせ先 福井大学 産学官連携本部コーディネーター 佐治栄治 TEL 0776-27 - 8956 e-mail: e-saji@u-fukui.ac.jp 14
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