ソーシャルギフト市場に関する調査結果 2014

2014 年 5 月 2 日
ソーシャルギフト市場に関する調査結果 2014
-さまざまなソーシャルギフトサービスが台頭、法人需要も拡大-
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のソーシャルギフト市場の調査を実施した。
1.調査期間:2013 年 12 月~2014 年 3 月
2.調査対象:ソーシャルギフトサービス提供事業者、商品券・ギフト券/ギフトカード発行事業者
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<ソーシャルギフト市場とは>
本調査におけるソーシャルギフトサービスとは、インターネットで購入したギフト(贈り物)を、ソーシャル・ネットワー
キング・サービス(SNS)やメッセンジャー、e メールなどを利用して通知し、贈るサービスを指す。
また、本調査におけるソーシャルギフト市場規模には、個人によるソーシャルギフトサービスの利用に加え、法人に
よる販促キャンペーンや従業員の福利厚生の一環としてのソーシャルギフトサービスの利用を含み、発行金額ベー
スで算出した。
【調査結果サマリー】
‹ 2013 年度のソーシャルギフト市場は、前年度比 204.5%の 45 億円の見込み
2012 年度の国内のソーシャルギフト市場は、前年度比 102.3%の 22 億円となった。法人のインターネッ
トを利用したキャンペーン(オンラインキャンペーン)におけるソーシャルギフトサービスの拡大、およびパ
ーソナルギフトにおけるスモールギフトの進展により、市場は拡大しており、2013 年度の同市場規模は前
年度比 204.5%の 45 億円(いずれも発行金額ベース)の見込みである。
‹ 法人の販促キャンペーン利用が増加し、ソーシャルギフトサービスが台頭
若年層を中心に、日常のちょっとした「ありがとう」「ごめんね」などのコミュニケーションを補完する形で、
ソーシャルギフトサービスを利用し、スモールギフトを贈るケースが徐々に増えている。また、グリーティン
グメッセージとともに 16 桁の ID を送付し、受取人は専用 Web サイトのバリュー(価値)として利用可能な
オンライン完結型のソーシャルギフトサービスも、ギフトの受け渡しがすべてインターネット上で可能という
利便性の高さから、利用が増加している。これらのソーシャルギフトサービスの利用拡大により、法人の販
促キャンペーンにも変化が出てきている。従来のリアルキャンペーンをやめて、オンラインキャンペーンに
シフトするなど、ソーシャルギフトサービスを採用する法人の事例も増えてきている。
‹ 市場予測:2020 年度のソーシャルギフト市場は 770 億円まで成長すると予測
ソーシャルギフト市場は、2020 年度には 770 億円(発行金額ベース)まで拡大すると予測する。とくに、
法人利用では、金券の管理・配送などのオペレーションや配送コストが不要になることが、また、パーソナ
ルギフトでは、従来の商品券・ギフト券、ギフトカード需要からの代替利用が拡大することが追い風になる
と考える。ソーシャルギフトサービスは、従来の紙型のギフト券などと棲み分けをしながら拡大し、新しいギ
フトの形として浸透していくと予測する。
◆ 資料体裁
資料名:「2014 年版 商品券・ギフト券/ソーシャルギフト市場の実態と展望」
発刊日:2014 年 3 月 27 日
体 裁:A4 判 234 頁
定 価:150,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:press@yano.co.jp
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
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2014 年 5 月 2 日
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況
ソーシャルギフトサービスとは、インターネットで購入したギフト(贈り物)を、ソーシャル・ネットワーキン
グ・サービス(SNS)やメッセンジャー、e メールなどを利用して効果的に贈り先に知らせる、また、住所がわ
からない相手先にも贈れるサービスである。
2012 年度の国内のソーシャルギフト市場は、前年度比 102.3%の 22 億円まで拡大した。法人のインタ
ーネットを利用したキャンペーン(オンラインキャンペーン)におけるソーシャルギフトサービスの拡大、お
よびパーソナルギフトにおけるスモールギフトの進展により、市場は拡大しており、2013 年度の同市場規
模は前年度比 204.5%の 45 億円(いずれも発行金額ベース)の見込みである。
2. 注目すべき動向~さまざまなソーシャルギフトサービスが台頭
2-1.リアル店舗送客型のソーシャルギフトサービス
若年層を中心に、日常のちょっとした「ありがとう」「ごめんね」などのコミュニケーションを補完する形で、
スモールギフトを贈るケースが増えている。こうした時にソーシャルギフトサービスを利用すると、洗練され
たデザインカード(壁紙)やメッセージ(サービスによっては動画や写真も可能)等を添えて、ギフトを贈る
ことができるため、言葉ではうまく伝えられない想い、「ありがとう」、「ごめんね」を気軽に伝えることができ
る点に魅力がある。
リアル店舗送客型のソーシャルギフトサービスは、こうしたスモールギフトで主に利用され始めており、
複数のメーカーと提携して、ディストリビューターとしてサービスを提供する事業者と、自社の店舗でのみ
利用できるサービスを提供する事業者に分かれる。
2-2.配送受取型のソーシャルギフトサービス
e メールでギフトを贈ることができて、受取人が Web の商品ラインナップ(カタログ)から商品を選択する
配送受取型のソーシャルギフトサービスも徐々に拡大している。同サービスは、受取人の年齢や性別、嗜
好性にあった商品を絞り込んで掲載することや、時機を得た商品を提供することを可能する、配送受取型
のソーシャルギフトサービスのひとつである。このサービスは、商品の入れ替えに柔軟に対応できるため、
メーカーの在庫負担の軽減につながるだけでなく、シーズン性のある、旬なファッションや食べ物を掲載
できる点に特徴がある。商品は比較的高単価で、サービスを提供する事業者が多く、フォーマルギフトと
して利用されることが多いサービスである。
2-3.オンライン完結型のソーシャルギフトサービス
グリーティングメッセージとともに 16 桁の ID を送付し、受取人は専用の Web サイトのバリュー(価値)と
して利用可能なオンライン完結型のソーシャルギフトサービスが拡大している。ギフトの受け渡しがすべて
インターネット上で可能なため、主にデジタルコンテンツの購入やオンラインゲームでの利用、さらにはイ
ンターネットでの商品購入まで幅広く利用されており、堅調に発行規模を拡大している。
3. 将来予測
ソーシャルギフト市場は、2020 年度には 770 億円(発行金額ベース)まで拡大すると予測する。その要
因としては、①法人におけるオンライン販促キャンペーンや従業員向け福利厚生の一環による利用が拡
大すること、②メッセンジャーとの連携などソーシャルギフトサービスの内容拡充もあり、新たなギフト習慣
としてのスモールギフトがギフト市場に浸透すること、③パーソナルギフトでは、従来の商品券・ギフト券、
ギフトカード需要からの代替利用が拡大すること、④将来的には、フォーマルギフトの一部需要も代替が
期待されることなどが挙げられる。
とくに、法人利用では、金券の管理・配送などのオペレーションや配送コストが不要になることで、リアル
キャンペーンをやめてオンライン販促キャンペーンに切り替える企業の多くが、親和性が高いソーシャル
ギフトサービスを採用すると考える。
ソーシャルギフトサービスは、ギフト市場において、従来の紙型のギフト券などと棲み分けをしながら拡
大し、新しいギフトの形として浸透していくと予測する。
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2014 年 5 月 2 日
図 1. ソーシャルギフト市場規模予測
90,000
80,000
70,000
(
発
行 60,000
額
50,000
百
万 40,000
円
77,000
)
30,000
59,500
20,000
38,900
25,850
10,000
0
2,200
4,500
7,300
2012年度
2013年度(見込み)
2014年度(予測)
12,100
2015年度(予測)
17,300
2016年度(予測)
2017年度(予測)
2018年度(予測)
2019年度(予測)
2020年度(予測)
矢野経済研究所推計
注1. 発行金額ベース
注2. 2013 年度は見込値、2014 年度以降は予測値
注3. ソーシャルギフト市場規模には、個人によるソーシャルギフトサービスの利用に加え、法人による販促キャンペ
ーンや従業員の福利厚生の一環としてのソーシャルギフトサービスの利用も含む。
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