2012 年 10 月 11 日 化粧品市場に関する調査結果 2012 ~「時短」を訴求した商品の台頭、男性用化粧品の伸長目立つ~ 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内化粧品市場の調査を実施した。 1.調査期間:2012 年 6 月~9 月 2.調査対象:化粧品ブランドメーカー、化粧品受託メーカー、化粧品原材料メーカー・商社、流通業者等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用 【調査結果サマリー】 2011 年度の国内化粧品総市場規模は前年度比 99.3%の 2 兆 2,710 億円と微減 2011 年度の国内化粧品市場規模は前年度比 99.3%の 2 兆 2,710 億円であった。2011 年度は 2008 年 秋以降の景気後退による消費者の購買意欲の減退が回復しないなか、中価格帯、特にノープリントプラ イス※を採用したメガブランドが、店頭で価値訴求できずに苦戦する一方、1,000 円前後の低価格帯化粧 品が台頭したことで、販売単価の下落が進行した。 「時短」を訴求した商品の台頭、男性用化粧品の伸長目立つ 2011 年度の製品分野別市場規模について、男性用化粧品市場が唯一、前年度比で堅調に推移した が、スキンケア市場、メイクアップ市場、ヘアケア市場、フレグランス市場はいずれも前年割れであった。 スキンケアやメイクアップ市場における主な商品の特徴として、「時短」を訴求した簡便型の商品が注目 を集めた。 ◆ 資料体裁 資料名:「2012 年版 化粧品マーケティング総鑑」 発刊日:2012 年 9 月 28 日 体 裁:A4 判 658 頁 定 価:110,250 円(本体価格 105,000 円 消費税等 5,250 円) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 営業本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:press@yano.co.jp 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd. 2012 年 10 月 11 日 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況 2011 年度の国内化粧品市場規模は前年度比 99.3%の 2 兆 2,710 億円であった。日本国内の化粧品 市場の成熟化、今後の人口減や少子高齢化という社会状況を見据えると、今後の参入メーカーの大幅な 業績アップの施策としては、積極的な海外展開を行なう戦略とならざるを得ない状況である。なかでもア ジア地域、特に急成長を続ける中国の化粧品市場は市場規模も大きく、今後も成長の期待できる市場で あることから、日本の化粧品メーカー各社は、中国を中心としたアジア地域の需要の取り込みに注力して いる。 2. 製品分野別動向 ~ 「時短」を訴求した商品の台頭、男性用化粧品の伸長目立つ ~ 2-1. スキンケア市場とメイクアップ市場 スキンケア市場とメイクアップ市場では、2008 年秋以降の景気後退による消費者の購買意欲の減退が 回復しないなか、中価格帯、特にノープリントプライス※を採用したメガブランドが、店頭で価値訴求できず に苦戦する一方、1,000 円前後の低価格帯化粧品が台頭した。 また双方の市場では、「時短」を訴求した化粧品が注目を集めた。スキンケアでは、化粧水・乳液・美容 液・化粧下地など、ひとつで多くの機能をこなす多機能型オールインワンタイプの化粧品が、その簡便性 を評価され、主に 40 代以上の女性の需要を獲得し需要を伸ばした。メイクアップでは、乳液・美容液、日 焼け止めなど、ファンデーションにプラスアルファの機能を加えた簡便型商品である BB クリームが需要を 伸ばした。 ※ノープリントプライスとはメーカー希望小売価格などの価格表示を商品やパッケージに記載しないことをさす。 2-2. ヘアケア市場 ヘアケア市場は、有力メーカーによるブランドの整理や、ヘアカラーの単価の安いクリームへ移行した ことによる販売価格下落などによって減少推移となった。製品としては地肌ケアやスカルプケア(頭皮ケア 等)を訴求するノンシリコン処方のヘアケア剤や、簡便型ヘアカラーが注目を集めた。 2-3. フレグランス市場 フレグランス市場は並行輸入のディスカウント販売が増加したことに加え、主力販路である百貨店への 来店客減少が響き、減少推移となった。バラエティストアでは、パッケージデザインやボトル形状の可愛ら しさやネーミングのユニークさを訴求するフレグランスや、カジュアルファッションブランドのフレグランスラ インが好評である一方、百貨店では高級な輸入品であるメゾンフレグランスや、ボディフレグランスが注目 を集めた。 2-4. 男性用化粧品市場 男性用化粧品市場はスキンケアとヘアケアが市場を牽引し、製品分野別では唯一、前年度比で堅調 に推移した。スキンケアでは保湿やアンチエイジングを訴求した化粧水やクリーム、フェイスシートが好調 であった。ヘアケア製品ではスカルプタイプのシャンプーやリンスが好調に推移した。 Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd. 2012 年 10 月 11 日 図 1. 国内化粧品総市場規模推移と予測 単位:百万円 2,500,000 2,323,698 2,314,400 2,284,000 2,286,000 2,271,000 2,269,000 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度(予) 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 0 矢野経済研究所推計 注 1: ブランドメーカー出荷金額ベース 注 2: (予)は予測値 図 2. 2011 年度製品分野別構成比 男性用化粧品 4.7% フレグランス 1.2% ヘアケア 18.5% その他 7.4% 2011年度 国内化粧品市場規模 2,271,000百万円 スキンケア 46.2% メイクアップ 22.1% 矢野経済研究所推計 注 3: ブランドメーカー出荷金額ベース Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd.
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