vietnam legal update

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ベトナム最新法律情報
2013年6月
新労働法の施行細則の公布
昨年6月に新労働法が成立し、今年5月1日より施行されています。しかしながら、新労
働法の施行にあたっての細則を定めた下位法令については、新労働法が施行された
後の5月10日頃から順次公布されています。これまでに公布された法令には、以下のよ
うなものがあります。
•ストライキが禁止される企業群等に関する法令第41-2013-ND-CP号
•労働契約等に関する法令第44-2013-ND-CP号
•労働時間・休憩・職場の安全衛生等に関する法令第45-2013-ND-CP号
•労働紛争に関する法令第46-2013-ND-CP号
•賃金に関する法令第49-2013-ND-CP号
•労働者派遣等に関する法令第55-2013-ND-CP号
本号では、このうちの労働時間・休憩・職場の安全衛生等に関する法令第
45-2013-ND-CP号(以下「法令45号」)について、その概要をご紹介します。なお、この
法令45号は7月1日より施行されます。
残業時間
新労働法上、残業は従業員が同意した場合に認められますが、その場合でも、残業
時間の上限が定められ、1日あたり通常勤務時間の50%以内(週勤務時間制の場合は
1日あたりの勤務時間の合計が12時間以内)、月間で30時間以内、年間で原則として
200時間以内とされ、政府が定める一定の例外的な場合に限ってこの年間の上限は
300時間に引き上げられます。法令45号は、この年間の上限が300時間に引き上げられ
る一定の例外的な場合として、使用者である企業が以下の3つのいずれかに該当する
場合を挙げています。
1.
出用の繊維製品、衣料品、革製品、靴、海産品、農産品、林産品の製造・加工
輸
に従事する企業である場合
2.
発電・電力供給、電気通信、製油、水の供給、放水に従事する企業の場合
3.
急を要する延期できない問題に直面している企業の場合
が許可した無給休暇期間についても、旧労働法の下では上限
なく算入されていましたが、法令45号では、算入は合計で1ヶ
月が上限とされています。
旧労働法の下では、管轄する各地方の人民委員会の特別の許可を得
ない限り、上記1の企業であり、かつ、その企業が急を要する延期で
きない問題に直面している場合(上記3)でなければ、年間の上限は
300時間に引き上げられませんでした。その意味では、上記3つのい
ずれかに該当すれば年間の上限が300時間に引き上げられる法令45
号では、その要件が緩和されたといえます。
また、手続として、上記例外的な場合に該当し、年間で200時間を超
える残業時間が生じることとなる場合、旧労働法の下では、使用者
は管轄する各地方の労働傷病兵社会局に対して7営業日前までに書
面で通知することが要求されていましたが、法令45号では、通知は
依然として要求されますが、7営業日前までの事前の通知であること
までは要求されていません。
休憩
休憩に関しては、例えば以下のような点で変更されています。
•休憩時間:旧労働法でも新労働法でも、従業員が連続して8
時間勤務した場合、使用者は少なくとも30分(夜間勤務の場
合は45分)の休憩を与えなければならないとされていますが、
法令45号では、従業員が残業時間を含めて1日に10時間労働
した場合は、さらに追加して30分の休憩を与えなければなら
ないとされています。
•有給休暇の日数の計算:旧労働法でも新労働法でも、一定の
危険を伴う仕事等の場合を除き、12ヶ月間勤務すると年に12
日間の有給休暇が与えられ、勤続5年毎にさらに1日ずつ追加
されます。法令45号では、こうした有給休暇の日数を計算する
際の勤務年月の算定基準について、旧労働法の下での取扱い
を一部変更しています。例えば、旧労働法の下では、使用者
が認めたトレーニング等のための休暇期間や公務に参加する
ための休暇期間は、有給休暇の日数を計算する際の勤務年月
に算入することとされていましたが、法令45号では勤務年月に
は算入されません。また、病欠期間についても、旧労働法の下
では、合計で3ヶ月間を上限に勤務年月に算入することとされ
ていましたが、この上限が2ヶ月に短縮されています。使用者
•旧正月(テト)休暇:旧労働法の下では4日間とされていたテト
休暇が、新労働法では5日間と変更されています。法令45号で
は、この5日間を、
(旧暦)旧年最後の1日間と新年最初の4日間
とするか、又は、旧年最後の2日間と新年最初の3日間とする
かについて、使用者が決定することができるとしています。な
お、かかる使用者の決定は、少なくとも休暇の30日前までに
従業員に通知される必要があります。
労働安全衛生
労働安全衛生に関する規制については、旧労働法の下での規制から
基本的には大きく変更されていませんが、例えば以下のような点で
変更があります。
法令45号では、定年を迎えた後も働く「シニア労働者」を、所定の危
険等を伴う仕事に従事させる場合、以下の各条件をはじめ、関係当
局が仕事毎に追加して要求するすべての条件を満たしていることを
要求しています。
1.
該仕事に少なくとも15年以上従事した経験を有し、所定の証
当
明書を有するなどしていること
2.
所定の健康上の基準を満たしていること
3.
該危険な仕事に従事させるのは限られた期間のみであり、最
当
長でも5年以内であること
4.
少なくとも年に2回は健康診断が行われること
5.
ニア労働者ではない労働者一人以上とともに当該仕事に従事
シ
すること
この他、法令45号では、新たに労働災害を「死亡事故」
「重大事故」
「軽微事故」の3種類に分類した上で、それぞれについて異なる規制
内容や手続を定めています。
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