下記の通り講演会を開催致しますので多数ご参加ください。 東工大脳研究会講演会 講師 高田則雄氏(慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室) 題目 光遺伝学とマウスfMRIを用いた脳領域間の結合特性の解析 要旨 脳の活動は一つの脳領域に留まらず、他の脳領域へ伝搬して行く。この様子を実験的に 計測することは従来困難だった。例えば脳海馬の神経活動は、脳のどの場所の活動を高め るのだろうか?ヒトに対して機能的MRI(fMRI)を適用すれば海馬を含めた全脳の活動 を計測できる。しかし海馬自体の活動を操作できない限界がある。実験動物ならば刺激電 極を刺入して海馬活動を人為的に高められる。しかしこの場合には海馬以外の神経線維も 刺激する恐れがあり、神経活動の起点が不明確となってしまう。その上、実験動物(マウ ス)の脳は小さすぎてfMRI計測自体が困難だった。 本講演では近年の技術革新によって初めて可能となった脳活動の操作と計測(光遺伝学 的fMRI)を紹介する。具体的には、2005年に誕生した「光遺伝学」は光照射によって脳 細胞の活動を操作可能とした。2012年にはこの技術を用いて、海馬神経細胞の活動を光 活性化できる遺伝子改変マウスが作出された。さらに2008年には21テスラ相当のSN比を 持つfMRIが誕生し、マウスに対するfMRIが可能となった。以上を組み合わせることで、 演者らは日本で初めてマウスの光遺伝学的fMRIに成功し、海馬光活性化時の全脳応答を 世界で初めて捉えた。異なる機能を持つとされる海馬の背側部分と腹側部分とをそれぞれ 光活性化し、その時の全脳応答を比較した。脳の機能を、脳全体の回路活動の観点から理 解しようとする試みである。新技術によって得られた質的に新しいデータには新たな解析 手法が必要である。この試みについても紹介する予定である。 日時 2013年12月12日(木)17:00‒18:30 会場 東京工業大学すずかけ台キャンパス G5棟1階103室 東急田園都市線すずかけ台駅下車徒歩12分 地図 http://www.titech.ac.jp/about/campus/s_map.html 参加費 無料 問合せ先 中村清彦(東京工業大学)nakamura@dis.titech.ac.jp,電話 045-924-5209
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