IMDS Newsletter XIX IMDSステアリングコミッティ発行2009年5月8日 © 2009 IMDS Steering Committee 次の記事が掲載されています: 1. IMDS -機密扱い化学物質と”トラストユーザー”の利便性 2. IMDSにおけるGADSLの更新 >>詳細 3. IMDS リリース 7.0 - 2009年6月4日より稼動予定 4.ユーザーの声 –IMDSへのEメールの紹介 >>詳細 >>詳細 >>詳細 IMDS の歴史 2008年10月30日 IMDS リリース6.1稼動 IMDS ニュース IMDS ヘルプデスクサポート 1. IMDS‐機密扱い化学物質と”トラストユーザー”の利便性 サプライヤーのデータの機密性をIMDSシステム上で保証するため、サプライヤー は、データシートに含まれる化学物質に”機密扱い”のチェックをつけることが できます。ここで言う機密性とは、サプライヤーが受信者に閲覧権限を与えない 限り、機密扱い化学物質が開示されないという意味です。この機能により、ユー ザーのデータシートの構成情報を保護することができます。 しかし、要申告/禁止の化学物質、またはワイルドカードを機密扱い化学物質と して指定することはできません。また、多くの顧客は、材料に対して10%よりも 多い未指定物質(機密扱い化学物質を含む)の使用を制限しています。 他のIMDS企業のユーザーが機密扱い化学物質を閲覧する必要がある場合、材料の データシートを作成した企業のクライアントマネージャーは、他のIMDS企業の特 定のユーザーに対して機密扱い化学物質の閲覧権限を与えることができます。こ の作業は、”システム管理”>”トラストユーザー”メニューから行うことがで きます。 なお、信頼できる従業員のみがIMDSのユーザーIDを取得しているという前提のた め、同じIMDS企業内の全てのユーザーは、自社データシート内の機密扱い化学物 質を閲覧することができます。また、場合によってはIMDSの外部で、「指定され たIMDSユーザーは受信した材料データシートに含まれる機密扱い化学物質を見る ことができる」という機密保持契約を2社間で締結する場合もあります。しかし ながら、実際に機密扱い化学物質を見ることができるのは、IMDSで”トラストユ ーザー”として指定されたユーザーのみです。 “トラストユーザー”は”システム管理”メニュー上でクライアントマネージャ ーにより指定されます。クライアントマネージャーは特定のユーザーを検索し、 機密扱い化学物質の閲覧権限を付与します。他社で作成された材料データシート に機密扱い化学物質が含まれていた場合などで、閲覧権限を付与することができ ない場合は、システムは通常通り振る舞い、機密扱い化学物質は開示されませ ん。 2009年6月4日 IMDS リリース7.0稼動予定 現在 67,652社から149,560ユーザー が登録 自動車会社の連絡先 Aston Martin Lagonda D. Pearson DPEARS27@astonmartin.com BMW Dr. K. Oldenburg-Nazaruk karin.oldenburg@bmw.de Chrysler LLC C. Sidney crs2@chrysler.com Daimler AG V. Ackermann imds@daimler.com Fiat Dr. K. Zardo claudia.berruti@fiat.com Ford M. Sauerbier msauerbi@ford.com Fuji Heavy Industries K. Hosokawa hosokawak@gun.subaru-fhi.co.jp ここで1つの例をご紹介致します: General Motors M. Svendsen malin.svendsen@se.saab.com 以下のシナリオでは、サプライチェーンの中のビジネスパートナーである3社を 例にとってご説明します。 Hyundai T. Unger page 1 tunger@hyundai-europe.com Isuzu Y.Tomita Yukihiro_Tomita@notes.isuzu.co. jp Jaguar Land Rover M. Griffin mgriff52@jaguarlandrover.com Mazda Y. Ajitani ajitani.y@mazda.co.jp tier1ユーザーがデータシートを作成し、tier2から受信したデータシートを参照 した場合、tier1ユーザーはtier2から送られてきたデータシートに含まれる機密 扱い化学物質を見ることはできません。それはtier2はtier1のユーザーをトラス トユーザーとして指定していないためです。一方、tier1がtier0にデータシート を送信した後、tier0ユーザーはtier2のデータシートに含まれている材料(tier2 から送信されてきた、参照されたデータシート)の中の機密扱いの化学物質を確 認することができます。それはtier2はtier0のユーザーをトラストユーザーとし て指定しているためです。つまり、一度他の企業のユーザーをトラストユーザー として指定すれば、このユーザーは自社から送信した全てのデータシートに含ま れる機密扱い化学物質を閲覧できます。これは、材料のデータシートが直接送信 されても、または他のサプライヤーのデータシートに参照される形で間接的に送 信されたとしても同じです。また、これは公開されたデータシートにも適用され ます。 このシナリオはサプライチェーン内のどの企業でも、言い換えれば、サプライチ ェーンの始まり(最初の企業である材料企業)から終わり(最終の企業である自動 車メーカー)までの複数企業(今回の例では3社)からなるビジネスパートナー間に 当てはまります。 2 つの機能の効果的な利用方法 –複数の化学物質を機密扱い化学物質として作成 しておき、”トラストユーザー”を指定します。そうすることで、自動車のサ プライチェーン内の各企業は、事前に指定された人物にだけ情報提供すること ができます。 2. IMDSにおけるGADSLの更新 2009年2月26日に、IMDSのGADSL情報が更新されました。詳細は全変更点の一覧を 含むGADSL更新ドキュメントをご参照の上、新しくGADSLフラグが追加された化学 物質が自社のデータシートのワイルドカードまたは機密扱い化学物質に含まれて いないかどうか、更新の必要性をご確認ください。 Mitsubishi T. Isogai takashi.isogai@ mitsubishi-motors.co.jp Nissan T. Sagawa t-sagawa@mail.nissan.co.jp Nissan Diesel K. Kuwahara kazuyuki_kuwahara@ nissandiesel.co.jp Porsche H. Ampferer herbert.ampferer@porsche.de Renault P. Rolland test.imds@renault.com Renault Samsung Renault Samsung Coordinator imds@renaultsamsungm.com Shanghai GM Rong Zhang rong2_zhang@patac.com.cn Ssangyong Motor Company Kyoung Soo Kim kks33704@smotor.com Suzuki H. Kato katohh@hhq.suzuki.co.jp Toyota E. Hoffmann eva.hoffmann@toyota-europe.com Volkswagen B. Plaga benjamin.plaga@volkswagen.de 3. IMDS リリース 7.0 - 2009年6月4日より稼動予定 変更内容は、IMDSリリース7.0情報に掲載されています。 意図しないデータシートの公開を回避 – データシートを公開する権利を持つ新 しいユーザー承認プロファイルが追加されます。クライアントマネージャーは自 社のユーザーに対し、データシートを公開する権利を与えることができます。 Volvo Car J. Lundström jlundst2@volvocars.com Volvo Group imds@volvo.com 材料/ 化学物質の組み合わせチェック – 選択した材料分類によって、材料に含 まれるべき化学物質の種類と含有率の最小値が定義されます。その他の化学物質 は、定義された化学物質の含有率の範囲値を超えてはなりません。さらに、ある 特定の化学物質が材料内に閾値より多く含まれている場合には、その化学物質に page 2 沿った材料分類を選択する必要があります。また、ある材料に特定の化学物質 (特にガスや液体)が1%より多く含まれている場合には、関連する警告が表示さ れます。 拒否理由の入力文字数の拡張 – データシートを拒否する場合には、拒否の理由 を入力することができます。入力可能な拒否理由の最大文字数が、現在の4000文 字から10000文字へと拡張されます。 プロセスケミカルの確認 –プロセスケミカルは、最終製品の中にも存在する場 合があるため、IMDSの基本化学物質リストに存在しています。しかしリリース 7.0以降、ユーザーは、プロセスケミカルが本当に最終製品に存在するかどうか を確認しなければなりません。ユーザーが確認して初めて、選択された化学物質 が材料のデータシート/モジュールに追加されます。この新機能には、ユーザー がプロセスケミカルを最終製品に誤って追加してしまう機会を減らす目的があり ます。 コンポーネントに追加されたセミコンポーネントの変更 – セミコンポーネント に対し、単位当たりの質量(体積当たりの質量、面積当たりの質量、長さ当たり の質量)を入力することが可能になります。また、セミコンポーネントがコンポ ーネントと同一階層に配置されると、レコメンデーション001(同じレベルに同じ 種類のデータを配置すること)に反することになります。レコメンデーション001 に準拠させるため、セミコンポーネントの上位に新しいコンポーネントが自動的 に挿入されます。 ご意見・ご感想 本ニュースレターへのフィー ドバックをお待ちしておりま す。IMDSやIMDSを取り巻く環 境に関する問題等のご意見や ご感想がありましたら、お気 軽にEメールにてご連絡下さ い。 また、ご意見やさらなる情報 提供のリクエスト、ご質問等 につきましては以下のアドレ スまでご連絡下さい。 imds-newsletter@eds.com (日本語でのフィードバックに つきましては日本IMDSサービ スセンター [jpimdshd@eds.com]までご連 絡下さい) 隠し属性または無効な化学物質の代替物質の表示 – 隠し属性または無効な化学 物質が含まれている材料のコピーを作成すると、代替となる有効な化学物質の候 補が表示されます。 特定のアプリケーションコードの検索 – 分析用絞り込み検索機能(絞り込み選 択および詳細選択)において、データシートのグループの中から、特定のアプリ ケーションコード(例:ベアリングの中の鉛)を含むデータシートを検索できるよ うになります。 新規にGADSLへ追加された機密扱い化学物質の調査 – GADSLが新しく改編される と、 機密扱い化学物質を含む全てのデータシートに対し、新たにGADSLへ追加さ れた化学物質が参照されていないかどうか検査が行われます。該当するデータシ ートがあった場合、そのデータシートを作成した企業は自社のデータシートの修 正および再提出を促されます。さらに、全てのユーザーに対して以下の2点の情 報が通知されます。 − GADSLの更新 − GADSLに新たに追加され、かつ機密扱いとなっている化学物質が自社の 最新のデータシートに含まれている可能性があること また、クライアントマネージャーは、このような化学物質が含まれている自社の データシートを分析できます。 4. ユーザーの声 –IMDSへのEメールの紹介 IMDSチーム御中, 私たちは5年以上、IMDSの担当者と話をしていますが、新しいIMDS担当者がIMDSに 携わる前の知識不足に失望しています。現在私は、IMDSにあまりなじみのない新 しい担当者へのトレーニングに多くの時間を費やしています。彼らが悪いわけで はないのですが、承認できるデータシートが提出されるまでには、3、4回は拒否 と再提出を繰り返します。IMDS担当者から頂いたいくつかの返答を以下に記しま す。 1. 私はまだIMDSを使用したことがなく、ちょうど任されたところです。 2. 前任のIMDS担当者が退職してしまい、私自身は2日間練習をしてみたのみ です。 3. 他社から送られてきたデータシートの確認方法が分かりません。 4. IMDS001とは何ですか。私にはデータシートが拒否される理由が理解でき page 3 ません。 5. 貴社に提出するデータシート作成の手助けをしてくれませんか。 6. 「材料の範囲値」の問題とは何ですか。また、なぜ「材料の範囲値」を理 由にデータシートが拒否されるのですか。 これらは私がIMDS担当者と会話した時の返答の一部です。また、トレーニングを 受講するかどうかを尋ねたところ、彼らはまず、IMDSにトレーニング講習がある こと自体に驚きます。 たいていの企業のマネジメントスタッフは、IMDSは単にデータを入力するだけ で、担当者に必要なのはタイピングスキルのみであるという印象を持っていま す。このため、私達のようなIMDS担当者がデータシートの何を確認しなければな らないのか、ということを認識していません。また、マネジメントスタッフは複 雑な材料部品やAnnexⅡ、RSMS、GADSL、REACHを理解していません。彼らが求めて いるものは、事務作業の手助けだということは明らかです。皆さんがコスト削減 を試みていることは理解できますが、そのために私達は多くの時間を費すことに なり、データシートの承認も難しくなってしまいます。 Eメールや電話で彼らに IMDSのトレーニングをしようとすれば、何時間もかかってしまうことは言うまで もありません。私たちには、全てのサプライヤーに対してこのようなことをして いる時間も人員もありません。 企業各社には、以下のような対応を提案します。 1. 費用を負担し、担当者に適切なトレーニングを受講させる。 2. 既にIMDSに精通している人物が社内にいる状態で、数週間の期間を設け る。 3. RSMS、GADSL、アプリケーションコードといったOEMの要求を理解する。 4. IMDS担当者は、全てのIMDSレコメンデーション、特にIMDS001を十分理解 する。 5. 材料、特に材料記号、材料規格、標準材料コードの入力が必要なデータシ ートの作成方法を十分に理解する。 6. ただのタイピング以上の、適正なスキルを持つ人物を配置する。 繰り返しになりますが、IMDSは、「ただ見たままを書き写せばよい項目」を入力 するシステムではありません。IMDSのデータには、技術的な内容、共通の認識、 材料知識が含まれています。ぜひともIMDS担当者には、データシートのレビュー や承認、拒否に関して社内や顧客からの手助けを必要としない人物を配属してく ださい。 IMDSユーザー企業御中 重要なご意見とご提案を頂き、誠にありがとうございました。 IMDSチーム IMDSニュース 1. 2009年5月7日に、IMDSアプリケーションコードが以下の通り修正されまし た。 • "Hexavalent chromium and its compounds"(六価クロムとその化合物)のア プリケーションコード"Concentration within acceptable GADSL limits" (GADSLで許容されている制限値以下の含有率)について、材料分類1.x-4.x および7.2に拡張されます。 • 材料分類が7.3のアプリケーションコードの閾値が(100%に変わって)0.1% に修正されます。 • 2つの新しい化学物質にアプリケーション(lead/cadmium)のフラグが追加さ れます: page 4 CAS 54554-36-8 1,3,5-Triazine-2,4,6(1H,3H,5H)-trione, lead salt CAS 7790-83-2 Cadmium dinitrite 2. IMDSにおける頻繁な使用と、各企業で必要な調整作業を考慮し、基本化学物 質Cr3+が再度有効になりました。(2008年11月28日に、IMDS基本化学物質リス トにおいてCr3+は他のイオンと共に隠し属性として設定されました)。 Cr3+の最終的な削除は2009年6月30日に実施予定です。 3. 現在、以下2点の変更が本番環境で稼動しています。 • • ルノー固有のエラーチェックにおいて、質量公差の閾値である10%を13% に拡張 クライアントマネージャーの権限で確認できるデータシート統計を、メイ ンメニューの"統計"内に移動 IMDSヘルプデスクサポート 中国– imds-eds-helpdesk-china@eds.com 月~金 午前9時30分~午前12時30分、午後1時30分~午後4時30分(GMT+8) 電話+36 1 298 1536 ヨーロッパ – imds-eds-helpdesk@eds.com 月~金 午前8時~午後4時30分(GMT+1) 電話+36 1 298 1536 フランス – imds-eds-helpdesk@eds.com 月~金 午前8時~午後4時30分(GMT+1) 電話 +33 1 55 69 7860 日本 – jpimdshd@eds.com 月~金 午前9時~午後5時 JST(GMT+9) 電話 +81 3 3797 4212 編集 本 IMDS ニ ュ ー ス レターの編集は IMDS ス テ ア リ ン グコミッティー に 代 わ り EDS Ilona, Pollok が 担 当 し ま し た。 韓国 – imdsk.helpdesk@eds.com 月~金 午前9時~午後5時 ソウル(GMT+9) 電話 +82 2 3782 0827 ~ 8 北米 - imds-eds-helpdesk-nao@eds.com 月~金 午前8時~午後6時 (EST) 電話 +1 972-403-3607 page 5
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