ROA Holdings, INC. Report No. 03001 携帯電話世界市場への挑戦: 「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ research@roaholdings.com www.roaholdings.com Copyright ⓒ 2011 ROA HOLDINGS, INC All Rights Reserved. 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ 目 次 1 エグゼクティブ・サマリー (1)レポート・ガイドライン (2)研究方法論 2 会社概要 (1)事業概要 (2)主要沿革 (3)生産能力及び生産実績 (4)受注現況 (5)研究開発及び投資現況、組織図 (6)海外現地法人別投資動向 (7)サクセス・モデルのケース・スタディ 3 携帯電話事業のサクセス・ストーリー (1)事業成長過程 1.市場参入期 2.成長期 3.活性化期 4.市場主導期 5.世界一流ブランド確立期 (2)サムスン携帯電話-その飛躍の秘訣 1.製品戦略 2.流通戦略 3.価格戦略 4.広告、販売促進戦略 5.ブランド戦略 6.デザイン戦略 02 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ 4 今後の展望及び課題 (1)世界市場環境の変化 (2)主要課題 <付録>サムスンの主力携帯電話端末2機種の分析 用語集 03 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ 表 目 次 [表-1]サムスンの四半期別実績分析(2002-2003) [表-2]サムスンの主要製品の売上高及びマーケットシェア分析 [表-3]サムスンの携帯電話の販売を含むHHP事業部門の全体売上高と機器別売上高の比率 [表-4]サムスンの主要製品別売上実績 [表-5]サムスンの主要製品のマーケットシェア分析 [表-6]韓国携帯端末メーカーのマーケットシェア比較 [表-7]サムスン携帯端末事業部門の全体実績の推移 [表-8]サムスンの通信機器及び端末事業部門の主要事業沿革 [表-9]サムスンの主要事業部門別年間生産能力と実際の生産実績比較 [表-10]サムスンの主要製品別受注状況の分析 [表-11]研究開発費用の現況 [表-12]経常開発費の投入による主要開発実績 [表-13]海外投資法人別直接投資金額の現況 [表-14]SCH-V300の主要機能及び特性 [表-15]SPH-X8000の主要機能及び特性 図表目次 [図表-1]サムスンの主要製品別2001年・2002年の実績分析 [図表-2]サムスンの携帯電話のデザインコンセプト 04 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ 図 目 次 [図-1]サムスンの事業部門別組織構成図(技術研究所を中心に) [図-2]ドラマホンの「ビューティーコンサルティング」メニュー画面 [図-3]サムスンの携帯電話事業の競争力分析 [図-4]サムスンの携帯電話の製品進化:2000-2002モデルを中心に [図-5]世界の携帯電話端末市場の主要変化 [図-6]携帯電話市場の環境の変化とサムスンの対応戦略 05 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ ROA HOLDINGS ISSUE REPORT エグゼクティブサマリー 1. エグゼクティブ・サマリー (1) レポート・ガイドライン 最近、 世界移動通信サービスが進化するにつれ、 これをサポート する次世代移動通信端末に対する関心が高まっている。韓国は日 本と共に世界移動通信市場をリードする国家に浮上し、 韓国の携 帯電話市場は急速な変化と発展を重ねている。韓国携帯電話市場 の規模は 1984 年以降毎年 100% 以上の急成長を続けてきた。初 期市場は、 アメリカのモトローラを中心にフィンランドのノキア、 スウェデンのエリクソンなどの外国メーカーが独占的な地位を確 保している状況であった。 外国製携帯電話が韓国内の携帯電話市場を完全に支配していた 1989 年、 遅れて携帯電話市場に進出したサムスンは 93 年から本 格的に携帯電話マーケティングに乗り出した。1994 年 8 月には、 「ANYCALL」ブランドの発売と共に攻撃的なマーケティングを展 開し、 95 年 7 月には、 モトローラを追い越して市場のトップに 踊り出、 いわゆる「ANYCALL 神話」を成し遂げた。 Asia Think Tank ROA HOLDINGS Research & Consulting on Asia Convergence Market 06 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ ROA HOLDINGS ISSUE REPORT エグゼクティブサマリー 出展 : サムスンの事業報告書を基にして SBR & ZAPPALLAS 作成 注 )10 億ウォン =1.01 億円、 2003 年年 1 月 20 日現在、 レートは 1 円 =9.9 ウォンである。 サムスンの 2002 年事業部門別売上高をみると、半導体 12 兆 7,520 億ウォン、 情報通信 12 兆 5,050 億ウォン、 デジタルメディア 10 兆 0,310 億ウォン、 生活家電製品は 3 兆 7,063 億ウォンになって いる。今年の実績の中で最も注目すべき項目は、 携帯電話が属し た情報通信部門である。同部門は、 全体売上高 12 兆 5,050 億ウ ォン、 営業利益 2 兆 9,823 億ウォンを記録し、 前年対比 37% の 売上成長率、 117% の営業利益成長を達成している。 携帯電話事業の収益増加はカラー端末の発売による ASP(AVERAGESELLINGPRICE) 上昇と中東地域、 アフリカ、 東ヨー ロッパでの販売が大幅に増加したからであると分析される。 Asia Think Tank ROA HOLDINGS Research & Consulting on Asia Convergence Market サムスンの「ANYCALL」は、 アメリカ経済誌である FORBES 誌 が選んだ「一番ほしいデジタル電子製品」ランキング 1 位に選ば れている。 FORBES 誌は 2002 年 12 月号でサムスンの SPH-A500 携帯電話はデザインが上品でありながら質素であるだけでなく 緊急時のユーザー位置追跡が可能な「E911」サービスなどの先 端機能に満ちていると誉めちぎったのである。この雑誌は消費 者の一番欲しいデジタル電子製品「ビッグ 10」で、 サムスンの ANYCALL 携帯電話を第一位に挙げている。 しかし、 このような世界的なのサムスン携帯端末に対する爆発的 な反応にも拘わらず、「ANYCALL」が中長期的に今の地位を継続 的に維持できるのかについては依然として疑問が残る。韓国携帯 電話市場はすでに飽和状態に達しており、 カラー携帯電話端末へ の買い替えが増え続けているが、 以前ほどは売れなくなってきて いる。その理由は、 携帯電話市場の飽和状態 (2002 年 12 月現在 3、 050 万台普及 ) による新規需要低迷が予想される中、 義務加 07 携帯電話世界市場への挑戦:「ANYCALL」の成功戦略と今後の課題 ~韓国サムスン電子の競争戦略分析~ ROA HOLDINGS ISSUE REPORT エグゼクティブサマリー 入期間 ( 最低加入期間 ) 及び補助金廃止による需要減少が現実化 される状況に置かれているからである。 最近のサムスンの中国市場に対する興味は、 韓国市場の限界を乗 り越えるための新しい市場開拓の努力の一環として受け入れられ ているが、 モトローラ、 ノキアなどすでに参入している多国籍メ ーカーの営業網を飛び越えるためにはその努力を国内よりも倍増 しなければならない。すでに北京を中心としてまた主要な省を中 心にサムスンの携帯電話端末が高価であるにも拘わらず飛ぶよう に売れているが、 これらの多国籍企業にとっても中国はこれ以上 譲れない最後の激戦地として認識されているため、 サムスンの中 国市場での経営評価は 2003 年の決算実績を基に行われるであろう。 本戦略報告書は半導体事業部門と共にサムスンの核心事業領域で ある携帯電話事業部門に重点を置いている。本報告書の目的は、 サムスンの携帯電話事業がグローバルマーケットで成功するまで 企業の内部でどのような努力がなされたかの成長過程にフォーカ スしていると共に、 今後サムスンが解決すべき懸案の課題を要約 的に提示している。 Asia Think Tank ROA HOLDINGS Research & Consulting on Asia Convergence Market 本報告書は、 移動通信市場が発達しているにもかかわらず、 中国 携帯電話市場ではこれといった強者のいない日本国内の端末メー カー、 移動通信事業者にいくつか示唆する点があると思われる。 (2) 研究方法論 ソフトバンクリサーチとザッパラスは本戦略報告書の作成におい てサムスン関係の韓国内文献調査、 企業実績報告書、 発表記事を 収集し、 分析した上で、 端末メーカーの専門家とインタビューを し、 資料の信頼性を高めるよう努力した。 08
© Copyright 2024 Paperzz